Nokia対HTCの特許訴訟でHTCがNokia特許を侵害しているとする10月の判決を受けて、英国の高等法院は12月3日に英国市場での「HTC One Mini」の販売差し止めを命じた。HTCはこれに対して控訴できる。書類からはまたHTCが第1四半期に次期フラッグシップの発表を予定していることも明らかになった。
この訴訟は2012年5月にNokiaがドイツで行ったHTC提訴にさかのぼるもので、Nokiaはドイツ、英国、米国など6カ国で同様の訴訟を展開している。
10月末、Justice Arnold判事はNokiaが保有する欧州特許0998024(「トランスミッターとモバイル基地局のためのモジュール構造」)をHTCが侵害していると認めた。Nokiaは1998年に同技術の特許申請を行っており、2019年10月に有効期限が切れる。
侵害が認められた端末は、「HTC One」「HTC One Mini」「HTC One Max」「HTC Desire X」などのAndroidスマートフォンで、Nokiaはこの判決の後にこれらの端末の英国での販売差止を求めていた。一方、HTCは該当するマイクロチップは他社製(Qualcomm)であって、Nokiaとはスマートフォンで採用するOSが異なるため英国で2社は直接競合関係にないことなどを主張していた。
両者の主張をヒアリングした後、判事はHTC One Miniの販売を禁じる一方で、フラッグシップのHTC Oneについては、英国でのビジネスに大きなダメージがあるとするHTCの主張を聞き入れ、判決を遅らせた。HTC One Miniの販売差し止め令は12月6日に発効となる。HTCはそれまでに上訴できる。
書類からは、HTCの英国でのポジションや将来の端末計画も明らかになった。HTCは2013年1月から9月までの9ヵ月間に、英国で71万5000台のスマートフォンを販売。これは金額にして2億2100万ポンド(約370億円)という。
英国におけるHTCのシェアは3%、Nokiaは6%(スマートフォン市場において)、HTCにとって英国は欧州最大の市場でHTC One、HTC One Mini、HTC One Maxの3機種で約70%の売上げを占める。HTCは2014年第1四半期にHTC Oneに次ぐフラッグシップ端末(HTC One Two)を発表予定とNokiaは主張しており、HTC側もこれを否定しなかったという。