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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第226回

GTX 780 Tiの次は? ロードマップでMaxwellの投入時期を予想 

2013年10月28日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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2012~2014年のNVIDIAロードマップ

20nmプロセスの新設計GPU
Maxwell

 次世代のMaxwellで、最初に投入されるのはメインストリーム向け、つまり「GeForce GTX 770」の後継製品である。CUDAコア数で言えば、今の「GeForce GTX 770」が1536個なので、最低でも2000個程度、最高で3000個程度になると思われる。

 どうもこのMaxwell世代ではSMXの構成に手が入るようだ。Kepler世代では1個のSMXに192のCUDAコアが搭載されていたが、Maxwell世代はこれが256個になるようだ。すると、8 SMXで2048 CUDAコア、12 SMXで3072 CUDAコアということで、おおむねこのあたりに落ち着くだろう。

192個のCUDAコアで構成されているKepler世代のSMX(Streaming Multiprocessor eXtreme)

 Maxwellは同社にとって最初の20nmプロセスであり、ここでいきなりハイエンドの巨大なダイを製造するのはリスクが大きい。なので製造そのものはGK104の後継ではなく、GK106あるいはGK108の後継にあたる製品(GM106/GM108?)からかかるかもしれない。

 ただこれはリスクプロセスを使った少量生産で、量産そのものはGK104のクラスからになりそうだ。図に示した“GeForce GTX 880(?)”はあくまで筆者の推定であって、具体的な情報はまだNVIDIAから一切出てきていない。動作周波数がやや低めに設定しているのは、TSMCのCLN20 SoCプロセスが同社の28nmプロセスから劇的に改善されないためである。

 TSMCの説明(関連リンク)によれば、28nmから20nmの変更により、以下のことが実現できるとしている。

  • 速度30%アップ
  • 回路密度90%アップ
  • 消費電力25%削減

 注意してほしいのは、これが全部同時に実現できるわけではなく、「速度30%アップ」か「回路密度90%アップ」か「消費電力25%削減」、というトレードオフの関係にあることだ。

 性能改善にはCUDAコアの数を増やすのは必須で、その上で消費電力を増やさない範囲で動作周波数を引き上げる、という形での実装になるだろうから、動作周波数はあまり変わらないだろうと想像される。

 これがいつ投入されるかであるが、TSMCによればすでにこの20nmプロセスにあわせて5つの製品がテープアウト、年内にはさらに30製品がテープアウトするとしている。

 このテープアウトというのは「設計完了」の意味で、ここから製造に入るわけだが、現状まだTSMCの20nmはリスクプロセス、つまり安定して製造できる保障がない状態で、一応モノは製造できるが、量産前の確認段階にある。

 量産開始は2014年2月頃を予定している。ただし2月に量産を始めるラインは同社のFab 14のフェーズ5のみで、どうしても生産数量は限られる。

 5月にはFab15のフェーズ3/4も20nmの量産を開始するので、このあたりからまともに数量が作れるようになってくるわけだが、そうなると例えば最初のロットにGM104を突っ込めたとしても、2月に生産開始ならば製品が出てくるのは4月末~5月にかけてだ。

 しかもこれはまだ量産サンプル(要するにES品)だから、これを元に検証を行ない、その結果を反映させて製品の製造に入るとなると、まともに物が出てくるのは早くても2014年の7月頃になりそうだ。

 もちろんその前にES品を使って製品発表などは可能だろうが、市場に物が流れるのは第3四半期に入ってからになるであろう。このあたり、もう少し情報が出てくるのは、来年3月に開催されるGTC 2014ではないかと思われる。

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