紙の分量に縛られず
連載小説やコミックが書ける「Kindle連載」
一方、新サービスの「Kindle連載」(http://www.amazon.co.jp/kindlerensai/)は、一度特定のタイトルを購入すると、その一冊分が完成するまで、最新エピソードが定期的にKindleに自動配信されるというサービスである。
新聞や雑誌の連載小説のように、最新エピソードを書籍化前にいち早く読めて、しかも連載が完結した際は完成版のKindleデータも入手できるという魅力がある。ちなみにKindleのデータは1話配信時は1話のデータが、2話配信時は1話と2話がセットになったデータと順次更新されていくことになる。
サービス開始時点では、林真理子「美女入門パート12」、藤井太洋「UNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース」など18作品が用意されている。
電子書籍によるセルフパブリッシングでリリースしてヒットし、のちに紙の書籍でも出版された「Gene Mapper」の著者である藤井太洋氏も登壇。通常の出版物の連載小説では原稿用紙50枚程度に分量が限定されてしまうが、Kindle連載では「長さ自由、ただし締切はある(笑)」とのことで、藤井氏が希望する1回100枚程度、テレビドラマ1本分のボリュームでストーリーを書けること、さらに執筆から公開までが短く、未来小説である作品内で東京五輪の開催を前提にした内容をスピーディーに盛り込めた、といったメリットを語った。
Kindle連載は将来的には拡大も検討しているとのことだが、ユーザーの反応を見つつといったコメントで、個人での参加や大幅な作品増加は現時点では予定していないようだ。また、Kindle連載で提供される作品は、あくまで出版社などからのデータ納入が前提となっており、出版社や編集プロダクションが抱えている、校正や進行管理といった編集サービスをAmazon.co.jpみずからが提供する予定はないとしている。