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ウェブページサイズが56%増大、モバイルが30%高速化

グーグル「Site Speed」集計、大きく高速化した“モバイル”インターネット

2013年04月19日 22時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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モバイルアクセス環境の大幅改善が意味するもの

 国別の集計データはさらに興味深い。日本よりPage Load Timeが短い国(韓国など)はあるものの、全体からみれば日本の通信環境はトップクラスにあるといえる。ランキング下位のケニアとの比較で、Page Load Timeにして4倍以上の開きがある。

 デスクトップ環境でのアクセスに関して、各国で2012年から2013年で大きな変化は見られないが、モバイルではどの国においても大きく改善が進んでいる。特に上位国でもドイツと米国は大きく改善し、米国にいたっては平均値で日本を上回っている。

 筆者の感想だが、米国において足回りの携帯回線速度はそれほど速いと思っていないが、これで日本を上回るあたりに「基地局あたりのユーザー数」「サーバーを含めた総合的なレスポンス時間」などの総合面で判断されているデータなのだということを実感する。

国別の集計データ(デスクトップ)。2012年から2013年で大きく変化した国は少ない

国別の集計データ(モバイル)。モバイルではどの国においても大きく改善が進んでいる

 各国別のより詳しいデータを見たい方は、Googleが用意しているインタラクティブマップを参照するといい。地図上の国にマウスカーソルを当てると、2013年の平均値と前年度からの差分がポップアップで表示される。2012年版は純粋に平均値での色分けだったが、2013年版は前年からの変化差分で色分けが行なわれている。多くの場合改善がみられるものの、デスクトップにおける中国のように若干の悪化がみられるケースもある。おそらくは、ユーザー数増加への対応が追いついていないためのみられる。

地図上の国にマウスカーソルを当てると、2013年の平均値と前年度からの差分がポップアップで表示される

 Googleの説明によれば、Site Speedのデータ集計は、ウェブブラウザーを用いたサイトアクセスにおける純粋な返答時間を集計したものであり、HTML5のNavigation TimingまたはGoogle Toolbarをインストールした環境でのみ集計が行なわれるという。Google Toolbarをインストールしない場合、Chrome、Firefox 7以上、Internet Explorer 9以上、Android 4.0以上が主な集計対象になるようだ。

 Page Load Timeが短くなる要因としては、インフラの高速化に加え、ウェブブラウザーの高速化、プロセッサパワーの向上などが含まれる。つまり、ウェブブラウザーのバージョンアップや(特にモバイルでの)プロセッサパワーの向上が大きく寄与する面がある。もちろん、展開がスタートしたばかりのLTEやHSPAといった高速ネットワークの影響もあるが、ユーザー全体でみれば割合はまだ少ないとGoogleでは分析しているようだ。

 さまざまな要因が複合的に絡んではいるが、ひとついえるのは「インフラ」「ソフトウェア」「プロセッサパワー」のすべてにおいてモバイルでの進化が著しく、これが1年でのPage Load Time大幅向上につながったと考えられる。それを考えれば、2014年もまたモバイル分野において大きな躍進がみられるだろう。

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