このページの本文へ

音の海にダイブ! ハイレゾ音楽プレイヤーで知る高音質の悦び

2013年01月13日 12時00分更新

文● 折原一也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

iPodファミリーの一番人気第5世代モデル
アップル「iPod touch」

 iPodファミリーの中ではダントツ人気の、タッチパネル搭載モデル。第5世代モデルの特徴は4型(640×1136ドット)のRetinaディスプレーが搭載され、同時発売された「iPhone 5」に近いスペックになったこと。同期に必要なDockコネクタも、iPhone 5と同じLightningコネクタに変更された。ストレージは32/64GBの2モデルをラインナップする。幅58.6㎜×高さ123.4㎜×厚さ6.1㎜、重量88gとスリムなボディーで持ち運びにも最適。音楽の連続再生時間は40時間ほど。

 実売価格は32GBが2万4800円ほど、64GBが3万3800円ほど。とくに高音質を謳うモデルではないが、スタンダードなプレイヤーとして選出した。

通話機能のないiPhoneと言っても過言ではない「iPod touch」(第5世代)

■Amazon.co.jpで購入

Shure SE215で聴く

 パワフルなサウンドなのだが、今回視聴したライバルの高音質プレイヤーと比較すると中~高域のクリアさに不満が残る。

Chase the world
ボーカルの存在感はあるが、中域の音が個々に分離できず、明瞭さがあと一歩足りない。
リアルワールド
女性ボーカルの声はやや固めな音だが聞き取りやすい。アタック音がやや弱くギターのディテールは隠れてしまった。
無想曲
音のヌケが良くなく、中域の音はやや痩せ気味で空間の見通しも今ひとつ。低域もぼやけるような膨らみがあるようだ。

音質評価:★★★★(4)
コストパフォーマンス:★★★★(4)

ソニー XBA-30で聴く

 ズンズンと重低音を響かせるサウンド。

Chase the world
ボーカルはそれなりに鳴らし分けるものの、ダンスミュージックの過剰な重低音に曲全体が圧倒される。中域の音はやや濁り気味で、高域の金属音もクリアには出せていない。
リアルワールド
こちらもかなり重低音に偏るが、ベースラインの響きは心地良い。ボーカルはしっかり前に出ているが、中域は明瞭さが足りない。
無想曲
独特の音の響きが目立っており、弦楽器で特にその影響が大きく、かなりクセのあるサウンドになる。

音質評価:★★★(3)
コストパフォーマンス:★★★(3)

ハイレゾ音源対応のヘヴィー級プレイヤー
ヒビノインターサウンド「iBasso Audio HDP-R10」

 24bit/192kHzのハイレゾ音楽データの再生に対応し、再生音楽フォーマットもFLAC、DSD、ALACまでフルsupportする全部入りハイエンドのポータブル音楽プレイヤー。本体には64GBのメモリーを内蔵し、microSD/SDHCカードスロットを搭載。本体にはAndroid 2.3.1をベースとした独自の再生ソフトウェアを採用しており、PCとはmicroUSBケーブルで接続する。

 本体には高級オーディオで採用されているESS社の32bit DAC「SABRE32 Reference audio DAC ES9018」、オペアンプにはTI社の「OPA627」を搭載。出力端子も通常のステレオミニ端子のほかに、6ミリの標準ヘッドフォンジャック、更には光/同軸デジタル出力端子も装備。

 本体サイズは幅71.8×高さ118.4×厚さ約27.5㎜、重量260gとかなりビッグ。プレイヤーとヘッドフォンアンプが一体化したモデルだ。音楽の連続再生時間は通常の圧縮オーディオで約10時間。実売価格は8万円程度。スペックがスペックなだけに、やや高価だ。

ヘッドフォンアンプ一体型なのでサイズは大きいが音も良い「iBasso Audio HDP-R10」

■Amazon.co.jpで購入

Shure SE215で聴く

 ワイドレンジでクリアな音を存分に堪能できる組み合わせだ。

Chase the world
ダンス調の曲でも暴走せず、個々の音をバラバラに鳴らし分ける上に、ボーカルもクリアに際立たせる。低音は音圧を出したパンチの効いたサウンドながら、量的には抑えられており聴いていて心地良い。
リアルワールド
歯切れの良い高解像度サウンドで、特にバックバンドの個々の楽器まで明瞭に聞き分けられる。ベースラインもタイト。ボーカルの主張はやや弱めだった。
無想曲
クセのない音で、ピアノは余韻までしっかりと鳴らし、弦楽器も高域までキレイに伸びるのは素晴らしい。

音質評価:★★★★★★★★★★(10)
コストパフォーマンス:★★★★★★★(7)

ソニー XBA-30で聴く

 ワイドレンジな音で、低音についても締まりのあるクリアな重低音を鳴らしてくれる。

Chase the world
重低音をズンズンと響かせながらも、全体として音数の多さも両立しており、ボーカルもソリッドに鳴らす。高域まで美しく鳴らすのはHDP-R10ならではの実力だろう。
リアルワールド
中域は控えながら、曲全体の音の見通しが非常に良く、ボーカルも程良く主張する。パワーはあるが締まりある低音もよくマッチした。
無想曲
ピアノの音を丁寧で優しく再現する。弦楽器の響きも高解像度に鳴らし切る。

音質評価:★★★★★★★★★(9)
コストパフォーマンス:★★★★★★(6)

カテゴリートップへ

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中