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2560×1600ドットの高解像度はデジタルイラスト制作にどんなメリットが?

デル30型液晶「U3011」で挑む、編集部ナカムラの年末お絵描き (1/2)

2012年12月25日 11時00分更新

文● ナカムラ/ASCII.jp編集部

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DELLデジタルハイエンドシリーズ「U3011」は、30インチのワイド画面と超高解像度を実現したプロ向けの上位機種だ。今回、デジタルお絵描きを趣味とするASCII.jp編集部ナカムラが、このディスプレーを使ってイラスト制作に挑戦した。U3011の大画面の使いやすさと優れた色彩表現について、イラストの制作過程とともにレビューしていく。

圧倒的な30インチのワイド画面

背面のデザインもU2711と共通だ

 「U3011」のボディのデザインは、以前に紹介した「U2711」とほぼ同じだ。スタンドを含むサイズは、幅571.3mm(最高位置)×奥行き211.3mm×高さ481.3mmとなっており、重量はパネルだけでも9.3Kg。箱から出すのに一苦労だった。

まず箱の大きさに圧倒された。設置作業は2人以上でやることをおすすめする

編集部の机の上に置いた状態

 筆者は比較的大きな机を使っているが、「U3011」を置くのにかなりのスペースが必要だった。奥行きは抑えられているが、横幅が75.6センチとかなり長いので、「U3011」を導入する際は、事前に設置スペースを確認しておこう。

 液晶パネルには高視野角のIPSパネルを使用。解像度はフルHD(1920×1080ドット)をはるかに超える2560×1600ドット(WQXGA)だ。また、輝度は370カンデラ、コントラスト比は標準時が1000:1、ダイナミックコントラスト比は最大で10万:1と鮮明な表示を実現。表示色は10億7000万色、色域は117%(CIE1976)と、豊かな色彩表現が可能だ。

 sRGBのカバー率100%、AdobeRGB色標準のカバー率99%をうたっており、グラフィックデザインや写真などの分野で、プロフェッショナルの使用に耐えうる色彩精度を実現するとしている。趣味のイラスト制作に使うには必要十分をはるかに超えるスペックだ。色彩表現の幅が広がれば、イラストの完成度も上がると期待している。

 この「U3011」を含む同社の上位ディスプレイは、工場出荷時にAdobeRGBおよびsRGBモードを調整してあるので、ユーザーは自分で補正する必要なく、すぐに適正な色合いで利用できる。キャリブレーションの知識がない筆者にとっても、大変ありがたい仕様だ。また、保証期間中に画面に1つでも輝点のドット抜けが見つかった場合、モニターを無償で交換してくれる3年間の「プレミアムパネル保証」がつくのも見逃せない。

 アスペクト比は16×9、画面はノングレアだ。視野角は垂直178度/水平178度と広め。応答速度は7ms(GtoG)と特に速いとは言えないが、イラスト制作や動画視聴などの用途では十分な性能だ。

インターフェースはディスプレー背面の下側にある

画面に向かって左側にUSB 2.0端子×2とカードリーダーを備えている

 入力はHDMI端子×2、DVI-D(HDCP対応)端子×2、DisplayPort端子、VGA端子、コンポーネント端子の5系統に対応する。背面にUSB 2.0端子(アップストリーム)、USB 2.0端子(ダウンストリーム)×4、7in1メディアカードリーダーを搭載だ。スピーカーは内蔵しないが、ディスプレー下部にスピーカーユニット「サウンドバー」用のDC電源コネクタ端子を備えており、オプションで用意されるスピーカーを追加できる。

 設置も済んだので、いざお絵描き開始! と思ったが、ここでひとつ問題が発覚。筆者が普段使っているノートPCと「U3011」をHDMI端子で接続したところ、2560×1600ドットの出力が得られないことに気がついた。2560×1600ドットにはDVI-Dのデュアルリンクモード、もしくはDisplayPortが必要なのだが、筆者のノートPCはどちらも搭載しないのだ。

 そこで今回は急遽、DisplayPort出力を持つUltrabookを調達し、イラストを制作することになった。さまざまなノートPCを評価用にお借りするASCII.jp編集部でも、DisplayPortに対応したノートPCに出会うことは多くはない。デスクトップPCのビデオカードならDisplayPort対応もあまり珍しくないが、ノートPCを使うつもりなら注意が必要と、実感させられてしまった。

可動域は広く、調整はスムーズ

 ディスプレイ部分は高さ調節と左右・角度の調整に対応し、上19度/下3度のチルトと、左右各30度のスウィーベル、90ミリの範囲での昇降が可能だ。ピボット機能は搭載されていないが、縦の長さも十分に確保されているので、不便を感じることは少ないだろう。昇降やチルト、スウィーベルは、大きさの割に動かしやすく、作業しながら自分に合った角度に調整できた。また、画面は映り込みの少ないノングレアで、長時間の作業でも眼が疲れにくい。

主なスペック
パネルサイズ 30型ワイド(ノングレアタイプ)
解像度 2560×1600ドット
視野角 左右178度、上下178度
輝度 370カンデラ
コントラスト 1000:1(ダイナミックコントラスト時10万:1)
応答速度 7ms(GtoG)
映像入力 HDMI×2、DVI-D(HDCP対応)×2、DisplayPort、VGA、コンポーネント
サイズ 幅571.3×奥行き211.3×高さ481.3(最低位置)~571.3(最高位置)mm(スタンド含む)
重量 9.3Kg(パネルのみ)
価格 10万5980円


デル株式会社

(次ページ、「いざお絵かき開始! ナカムラは大画面を使いこなせるのか?」に続く)


 

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