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搭載スマートフォンは2013年初めに投入――ZTEなど2社が協力

iPhone/Androidに対抗できる? 「Firefox OS」2013年離陸

2012年07月03日 20時00分更新

文● 末岡洋子

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 MozillaはHTML5ベースのモバイル端末向けOS「Firefox OS」を発表した。スペインのTelefonicaといったオペレーター数社が採用に向けて動いており、端末メーカーでは中国のZTEとTCL Communication TechnologyがFirefox OSを採用したスマートフォンの開発を表明した。Firefox OSを搭載した最初の端末は、2013年の登場が見込まれる。

MWCで見ることができた、GALAXY S IIにBoot to Geckoをインストールした端末

 Firefox OSは、Mozillaが「Boot to Gecko(B2G)」として開発してきたWebベースのOSだ。MozillaはB2G開発を2011年より明らかにしており、2012年2月のMobile World Congress(MWC)では試作機を公開していた(関連記事)。

 今回、正式名称に知名度が高い「Firefox」ブランドを冠することでコンシューマーへの認知を図る。MWCではまたWebアプリケーションストア「Mozilla Marketplace」計画も発表、開発者向けに公開している。

 Firefox OSはHTML5、CSSなどのオープンなWeb技術を特徴とし、ゲームやアプリだけでなく、通話やSMSなどこれまでWebアプリケーションからはアクセスできなかった機能も利用可能にする。これらのWeb APIは標準化団体のW3Cに提出するなど、ブラウザーのFirefoxと同様、オープンな開発モデルの下に開発を進めるとする。

まずは途上国市場向けに
ローエンド端末が中心になりそう

 また、Firefox OSはエントリー向けに最適化されており、不要なミドルウェアを排除することで高いカスタマイズ性を実現する。オペレーターは自社顧客向けにリッチなユーザー体験を提供でき、同時に開発コストを抑えることができるという。このような特徴から、まずは発展中の市場向けと位置づけている。

 端末ではZTEとTCLが、Qualcommの「Snapdragon」を基盤にFirefox OSベースのスマートフォンを製造する予定という。TCLは「Alacatel One Touch」ブランドで端末を製造するメーカーだ。

 オペレーターでは、Telefonicaのほか、ドイツのDeutsche Telekom、アラブ首長国のEtisalat、フィリピンのSmart、アメリカのSprint、イタリアのTelecom Italia、北欧のTelenorの7社が支持を表明している。TelefonicaとDeutsche Telekomは2月のMWCで発表されていたパートナーで、その後5社を獲得したことになる。

 最初の端末はTelefonicaがブラジルで展開する「Vivo」向けで、2013年初めに登場する予定だ。

 モバイルOSはiOSとAndroidの2強状態が続いている。オープンソースのモバイルOSとしては、「Tizan」(旧名称「MeeGo」)、HPの「webOS」などの取り組みがあり、Firefox OSはこれらに加わることになる。


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