1週間という短期間ではあるが、NTTドコモの最新スマートフォンである「GALAXY S III SC-06D」を試用させてもらっている。編集部から使用レポートを書かないかと言われて、「なぜこの端末が世界的ヒット商品になっているのか?」というのを確かめたくて、しばらく借りることにした。
GALAXY S IIIの詳しいレポートはASCII.jpにもすでに掲載されているので(関連記事)、私なりに感じたことを書きとめておきたいと思う。
アロハの季節になって
スマートフォンの新製品が気になりだした
私はドコモ「HT-03A」という初期のAndroid端末から、数台のスマートフォンを使ってきた(もっというと、Androidの父であるアンディ・ルービンがかつて作ったSidekickも使っていた。Sidekickのボタン構成はAndroidそのものでコンセプトも近い)。サムスン電子の端末では、タブレットの「GALAXY Tab SC-01C」が最初で、最近「GALAXY Tab 7.0 Plus SC-02D」も使い始めたところだ。
ということで、「7インチタブレットが情報端末としてはサイコーだ」と今まで主張してきたのだが、実は夏にかけてジャケットからアロハに着替えるときに「7インチを入れるポケットがない」という悩みをかかえていたところだったのだ(GALAXY Tabは意外やズボンのポケットに入るのだが、今回は上着の話)。その意味でも、GALAXY S IIIの使い勝手は気になっていた。
GALAXY S IIIを触って最初に感じたのは「大きい」という印象だ。4.8インチの有機EL画面(HD SUPER AMOLED)なので、無理はないのだが、手に持った感じはかなりコンパクトだという印象に切り替わる。種明かしをするとGALAXY S IIIのデザインによるところが大きいと思う。横から見るとお皿というか台形をしているのだが、これが実質サイズをかなり稼いでいる。
大きくても持ちやすさはそのままに
……そんな開発目標を端末から感じる
たぶん、開発現場では「4.3インチのGALAXY S IIと同じくらいの持ちやすさにせよ」という、無理難題とも思える指示が現場に下ったのではないかと想像している。そうなのだ。「言葉にできる開発目標」というのが、この端末には感じられる。その結果、四角かった断面を台形の断面にするというなんでもないアプローチで、この課題はかなりの次元でクリアされている。
もっとも、4.8インチまで大きくなると、片手での操作では指が届きにくくなる。どちらかというと端末を掴むというよりも、画面上部にタッチする場合、手のひら、それも指の側の上に端末をのせて指を伸ばす感覚になる(背伸びタッチ)。
これでは端末がやや不安定な状態になってしまうのだが、いつの間にか手のひらの一部で端末の端っこを挟む感じになっているのに気づく。この問題、画面の大型化ではさけては通れないテーマである(今後は背面タッチ式の操作が注目される可能性があると思う)。要するに、GALAXY S IIIのサイズは片手で使える線を狙ってギリギリそこにおさめていると言える。