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あなたのスマホを守るAndroidセキュリティーソフト特集 2012 第3回

暗号化にクラウド検索 Androidスマホの最新セキュリティー事情

2012年04月19日 12時00分更新

文● 小林哲雄

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 特集第1回で触れたように、モバイル端末自体で強力な防御解析を行なうのは、システムリソースを必要とするので難しい。しかし、解析作業をセキュリティーソフト会社があらかじめ行なう、あるいはユーザーの要求が高いものから優先して解析すれば、効率的なリスク排除も可能となるだろう。

 例えば、インストール時に解析済のアプリだけをインストールすれば、端末でマルウェアスキャンをする必要はない。後日問題が発見された場合も、端末にインストールされているアプリをセキュリティーソフトが把握していれば、警告を出すことができるだろう。

 なお、現時点でトレンドマイクロは、この技術をどのように製品展開するかは発表していない。どちらかというと、アプリストアを提供する企業に向けたサービスを念頭に置いている印象だが、ぜひとも個人向け製品にも組み込んでほしい。

3月26日に開かれた、企業向け戦略説明会でのMobile App Reputationに関するスライド。技術開発は終了しているとのことだが、具体的な提供方法に関しては未定

マーケットのアプリはすべて解析?
大手セキュリティーソフト企業のマルウェア研究

 特集第1回で掲載した「公式マーケットで情報漏えいを起こすアプリがまとめて見つかった」件については、シマンテックとマカフィーが自社のブログで取り上げている。

 例えばマカフィーのブログ記事では、マルウェアの画面や通信内容を説明している。

そのブログに掲載された「コンタクトリストの名前、電話番号、Eメールアドレスの送信ログ」の例。アプリが要求する「連絡先データの読み取り」のパーミッションに許可を出すと、アプリはこういうことができるという例だ

 一方、シマンテックのブログ記事」では、すでに話題になった2つの開発者名に加えて、合計7つの開発者名でGoogle Playストアに掲載していたとしている。さらにこれらのマルウェアが個人情報をアップロードしたサーバーは、ほかのマルウェアでも使われたサーバーと同じと分析している。

シマンテックのブログに掲載された「問題のあるソフトのインストール後画面」

 両社のブログを見て言えることは、資本力と解析力のあるセキュリティーソフト企業は、公式マーケットから消される前に、問題のあるソフト検体を取得して解析していたということだ。もしかすると、公式マーケットに出ているソフトはすべて持っているのかもしれない。

 いずれにしても、資金と人材のある企業でなければ、このようなことはできない。スマートフォン向けアプリでは、フリーミアムモデルのセキュリティーソフトも増えているが、有料セキュリティーソフトが今でも支持されるのは、新たなリスクに対する研究と対策を迅速に展開できるのが、そうした大手企業であるという証左なのかもしれない。

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