KDDIが最新AR技術を一斉展示――「AR First Step Conference」
“手乗りギャルゲー”が発売される日も近い…のか?!
2011年12月16日 21時30分更新
スマートフォンで使える最新のAR技術がずらりと並ぶ。15日、KDDIが開催したAR技術の展覧会「AR First Step Conference」での光景だ。ARエンジン「D'Fussion」を開発する、AR技術のリーディングカンパニーである仏ディフュージョン社と提携し、ARの外堀を埋めるKDDI。その技術は、数年前とは比べものにならないほど進化している。
KDDI 新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏は、アニメ「電脳コイル」を例に挙げ、「われわれもこういう世界を実現できれば」と、ARにかける思いを話す。目指すのは、手軽に、どこでもARが使える技術世界。いかなるコンテンツ/通信環境/デバイスでも通用する、“フリー”なAR技術の実現を目指しているという。
発表された技術の中で、とくに注目を集めているのは「てのりん」こと、手のひらAR(取材記事)。スマートフォンのカメラで手のひらを撮影すると、3DCGの女の子が音楽にあわせて踊りはじめる。
てのりんアプリは2011年6月にau one Market上で配信を開始しており、8月には初音ミクのモデリングデータも配信している。初めに手のひらARが発表されたときと比べ、CGでの表現力が格段に上がっていることに驚かされる。
「スカートがひらひらたなびく様子、髪の毛がたなびくところもしっかり表現できるようになりましたが、パンツはギリギリ見えないようになっています」(担当者)
3D対応のスマホでは半立体のCGを見ることもできるので、本当にそこにいるような錯覚を持つ。
そうしたエンターテインメントコンテンツだけでなく、広告キャンペーン用にもARは使われている。たとえば梅酒の缶を撮ると“おいしい飲み方”を表示する、チーズスナックを撮るとダーツゲームができるなど。AR対応の年賀状「ケータイPOST」や、マイクロソフトのゲームデバイス「Kinect」を使い、ARで服を試着するという技術も開発されている。
また、最近は町おこしにもARが使われることも増えてきている。今回紹介されていたのは、漫画家・藤子不二雄Aの生まれ故郷、富山県氷見市の事例。町のあちこちに置かれた認識対象物をスマートフォンで撮影すると、町の見どころをオリジナルのキャラクターが案内してくれる。無事目的地に到着すると、ハットリくんなどの漫画キャラが登場し、一緒に記念撮影ができるというものだ。
KDDIでは今後、ARを使ったゲームの開発も予定しているという。手のひらARの技術を応用すれば、手のひらの上にいる美少女にキュンキュンするようなゲームも開発できるだろう。視覚と触覚に新しい可能性をもたらしてくれる、新しい技術に期待したい。