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スマートフォンの普及で高まる未成年のネットトラブル

2011年12月07日 22時10分更新

文● ASCII.jp編集部

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あなたの周りは大丈夫?
ネットに潜む危険から子供を救おう

 情報セキュリティソフトメーカーで、フィルタリングソフトをリリースしているデジタルアーツは、ケータイの購入、機種変更が進むクリスマスを前に、小、中、高校生1236人の意識・実態調査を行なった。スマートフォンの使用でインターネットトラブル経験が2倍に増加し、非所有者の9.5%に対し、所有者の18.5%がインターネットトラブルを経験していたことが明らかになったことを発表した。

オープニングで挨拶をした、デジタルアーツ 代表取締役社長 道具登志夫氏

携帯トラブルの最新事情を語った、財団法人インターネット協会 副理事長 国分明男氏

 デジタルアーツによる調査の結果をまとめると以下の通り。

未成年の携帯電話・スマートフォンの使用意識・実態

  • 現状スマートフォン所有者は全体の14.4%
    しかし、今後スマートフォンの所有を希望する未成年者は64.2%
  • 最も使用されているスマートフォンアプリは「ゲーム」で75.4%
    次いで、「趣味」41.1%、「SNS」40.6%と続く
  • インターネット上のトラブル経験は全体の10.8%にとどまるものの
    小学生2.7%、中学生6.6%、高校生23.3%と年齢の上昇に合わせて、その割合も増加の傾向
  • インターネット上で知り合った友達に、実際に会いに行った割合が最も高いのは
    女子高生で38.5%にも上る

スマートフォン所有とインターネットトラブルの関係

  • アダルトサイトや違法サイトなどの閲覧経験は、
    スマートフォン非所有者の37.1%に対し、所有者では63.5%
  • スマートフォン所有者の約半数にインターネット上で知り合った友達がおり、
    そのうち、3人に1人が実際に1人で会いに行った経験がある
  • 家庭内で携帯電話・スマートフォンの使用ルールを設けている割合は、
    スマートフォン非所有者の70.9%に対し、所有者は39.9%
  • フィルタリングの導入率は、スマートフォン非所有者の42.8%に対し、
    所有者は27.5%にとどまる

年代別で見ると、中学2~3年生の相談が一番多い

架空請求がトラブル相談の一位。これはモバゲーに見せかけた、「モバゲイ」というフィッシングサイト

家庭内でルールを作り、親子で話し合ってほしいと国分氏

 トラブルが起きても保護者に相談しないことも多く、「保護者が自分より知識がないから相談しても仕方がない」、「相談すると使わせてもらえなくなる」、「自分で解決できる自信がある」などの理由から相談しないとのこと。また、「フィルタリングがなくても危険な目に遭わないと思う」とフィルタリングソフトを使用していない未成年の約3割が答えており、インターネットでの危機意識が薄いことがわかった。

 今回の調査結果から、スマートフォン使用者は危機意識が低く、また学齢が上がると共にインターネット上で被害に遭遇する危険性が高まっているにも関わらず、年々インターネット上でのトラブルに対する危機意識が家庭内で薄れ、フィルタリングを使用しない家庭が増えているという結果が出た。

調査結果を発表した、デジタルアーツ 広報担当 吉田明子氏

スマホを持っていない子も多いが、その大半はスマホを欲しいと思っている。スマホへの感心は若い世代も非常に高い

若い世代はSNSに熱心かと思いきや、スマホのゲームに費やす時間が一番多いらしい

ネットで知り合った人に、一人で会いに行ってしまうのは女子高生が約4割と。危機意識が希薄なのかもしれない

 中、低年齢層へのスマートフォンの普及が急速に拡大しているものの、その反面セキュリティ対策が追いついていない現状。デジタルアーツでは「未成年者が健全なインターネットライフを過ごせるようにスマートフォンの使用ルールを家庭で見直し、さらにフィルタリングを積極的に活用することを推奨します」と発表会を締めくくった。

デジタルアーツがリリースしているフィルタリングソフト、「i-フィルター」のイメージキャラクターを務める、現役女子高生であり、ミスマガジン2011で準グランプリに輝いた綾乃美花さん。普段は通話時間やネットの時間など、きっちりと上限を決めて利用しているらしい

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