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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第227回

猫を求めて暗渠を更に奥に、奥に……

2011年11月25日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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鬱蒼とした川跡に突然黒猫登場

見るからに鬱蒼とした一角に、真っ白な赤首輪白猫登場。撫でさせてはくれるのに、カメラを向けるとぷい(2011年11月 ニコン COOLPIX AW100)

見るからに鬱蒼とした一角に、真っ白な赤首輪白猫登場。撫でさせてはくれるのに、カメラを向けるとぷい(2011年11月 ニコン COOLPIX AW100)

 あまり構っていると日が暮れちゃうので、さらに奥へと進む。

 やがて舗装もされず剥き出しの土になり、両脇には川だった頃の名残である護岸跡が現れ、鬱蒼としてくるのだが、その途中、少し開けた場所があったかと思うと、赤い首輪をした真っ白な猫がとことことちょっと遠慮気味に歩いているではないか。

 逃げはしないけど無遠慮に近づいたり目線をくれたりもしない、悠々とした猫。

 あ、右側にiPhoneで撮ろうとしてる手が写っているけど、それは気にしないでください。iPhoneで片手撮りするときの持ち方の参考にでも。

 さらに奥へ進む。鬱蒼とした川跡を進むも、猫がいそうにない。鬱蒼とすればするほど猫は隠れ場所に事欠かないしね。

 川の源流近くにたどり着き、鉄道や駅前通りで川跡が途切れ、ああ、いなかったなあ、帰るとするか、と踵を返すと、ある家の壁、それも地面すれすれのところにこんなのがぶら下がっているではないか。

これは、飼い猫が居るという印だ!(2011年11月 パナソニック DMC-G3)

これは、飼い猫が居るという印だ!(2011年11月 パナソニック DMC-G3)

 ってことは、この家で黒猫を飼っているに違いない。もしかしたら近くにいるかも、と自転車を降りて振り返ると、そこにいるじゃん。実はびっくりした。さっきまでいなかったのに。

いたっ。そっくりな黒猫。しかも暗渠のど真ん中でポーズつけてくれるなんて(2011年11月 パナソニック DMC-G3)

いたっ。そっくりな黒猫。しかも暗渠のど真ん中でポーズつけてくれるなんて(2011年11月 パナソニック DMC-G3)

 きっと塀の上かどっかで監視していて、わたしが自転車から降りたんで、様子を見に出てきたんだろう。さては自宅警備員だな。

 黒いけどよく見ると縞のまじっているきりっとした佇まいの猫でした。これがあのプレートの猫だろう。出てきてくれてありがとう。こちらをじっと観察したあと、レンズ交換している間にどっかに消えちゃいました。

 猫探し散歩をするときは、猫がいそうな場所……茂み近くや塀の上、エアコン室外機の上などに気を配りつつも、意識を特定の場所に集中させず、視界の隅に生じる違和感を見逃さないようにするとよし。

 あまり集中しすぎると、そこ以外を見逃しやすくなるからね。あくまでも視野は広く、集中しすぎず、かといってぼーっとせず、気配を消して挑むべし……ってどんな忍者だ。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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