CPUクーラーの換装は薄型のみに制限される
Mini-ITXマザーボードは、実装パーツの密度が高いため、大型CPUクーラーだと干渉する可能性がある。また、小型ケースだと物理的にCPUクーラーサイズに収まらないこともある。そのため、マザーボードのCPUソケット周辺に高さのあるパーツが存在しないか、使うケースに収まるサイズはどれくらいかをチェックし、条件に当てはまるCPUクーラーをチョイスしたい。
CPUクーラーは小型マシン向けの薄型タイプも数多くあり、こういったタイプからチョイスするのが無難だ。
マザーによってはノート用のSO-DIMMメモリが必要
マザーボードの中には、メモリスロットに一般的なDIMMではなく、ノート向けのSO-DIMMを採用しているものがある。DIMMメモリをSO-DIMMスロットで使うことも、SO-DIMMメモリをDIMMスロットで使うこともできないため、メモリはマザーボードのメモリスロット規格に対応するものを用意しよう。昔は高いイメージがあったDIMMメモリだが、こちらの価格調査をご覧いただければ判る通り、今はPC3-10600 4GB 2枚組で3500円前後とDDR3 SDRAMと遜色ない値段になっている。小型化を追求して、あえてDIMMメモリを選ぶのも1つの手だろう。
拡張スロットは1本のみ!
使いたいカードが差せるものを選ぼう
Mini-ITXマザーボードは、サイズの制限から拡張スロットは1本しか装備できない。拡張カードを使いたい場合は、そのカードに対応する拡張スロットを搭載するマザーボードをチョイスすること。特にPCIスロットを搭載するマザーボードはここ最近激減しているので、PCIカードを使いたい人は古めのマザーボードもチェックするといい。なお、PCI Express x1カードはPCI Express x16スロットに差して使うことが可能なので覚えておこう。
PCI Express x16スロットは、16レーン接続ではなく8レーン接続のマザーボードがごくまれに存在する。気になる人は、一応マザーボードメーカーのスペックをチェックしておきたい。
拡張カードの大きさに注意
小型ケースはLowProfileのみ対応だったり、搭載可能なカード長に制限があったりと、拡張カードにさまざまな制約があることが多い。利用するケースがLowProfileカード以外を使えるか、どれくらいの長さの拡張カードが収まるかはあらかじめ把握しておこう。なお、LowProfile対応ビデオカードはエントリーモデルクラスしかないため、3Dゲーム用PCを目指すなら、ケース選びの時点でフルハイト対応のものを選んでおくとよい。
ケースによっては5インチベイや3.5インチベイが少ない
小型ケースはサイズの関係上ドライブベイの数が少ない。超小型ケースだと5インチベイ自体がなかったり、3.5インチベイが1基だけたったりと、ベイが極限まで削られている製品も多い。光学ドライブを使うなら5インチベイは1基必須で、3.5インチベイも増設を視野に入れると2基はほしいところ。もし、ベイが足りない場合は、外付けドライブで運用するなどの工夫が必要になる。2.5インチベイが搭載されている時は、SSDを2.5インチベイに起動ディスクとして搭載することで高速化を図るのもアリだ。
また、ケースによっては、光学ドライブはノート用のスリムタイプのみ搭載可能な製品もある。スリムタイプの光学ドライブはケースの小型化に貢献するがドライブ価格が高めなので、コストを抑えたい人は注意したい。
ケース付属の電源は容量不足に陥る可能性アリ
小型ケースはあまりハイスペックなパーツの組み合わせを想定していないこともあり、付属する電源の容量が低めな場合が多い。エントリーモデルのCPUのみなら200W以下でも大丈夫だが、ミドルレンジ以上のCPUなら300W、さらにビデオカードを使うなら400W以上はほしいところだ。スペック重視で組み上げるなら、電源容量のチェックはぬかりなく行なおう。
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