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小型PCだって十分イケる! Mini-ITX入門 第1回

小型PCが作れる Mini-ITXを組む際の注意点はココ!

2011年10月03日 12時00分更新

文● 宇野 貴教

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CPUクーラーの換装は薄型のみに制限される

 Mini-ITXマザーボードは、実装パーツの密度が高いため、大型CPUクーラーだと干渉する可能性がある。また、小型ケースだと物理的にCPUクーラーサイズに収まらないこともある。そのため、マザーボードのCPUソケット周辺に高さのあるパーツが存在しないか、使うケースに収まるサイズはどれくらいかをチェックし、条件に当てはまるCPUクーラーをチョイスしたい。
 CPUクーラーは小型マシン向けの薄型タイプも数多くあり、こういったタイプからチョイスするのが無難だ。

いざCPUクーラーを取り付けたと思ったらPCケースからはみ出してしまったり……

ケースに収まっても、ほかのパーツが入れられない場合も

マザーによってはノート用のSO-DIMMメモリが必要

 マザーボードの中には、メモリスロットに一般的なDIMMではなく、ノート向けのSO-DIMMを採用しているものがある。DIMMメモリをSO-DIMMスロットで使うことも、SO-DIMMメモリをDIMMスロットで使うこともできないため、メモリはマザーボードのメモリスロット規格に対応するものを用意しよう。昔は高いイメージがあったDIMMメモリだが、こちらの価格調査をご覧いただければ判る通り、今はPC3-10600 4GB 2枚組で3500円前後とDDR3 SDRAMと遜色ない値段になっている。小型化を追求して、あえてDIMMメモリを選ぶのも1つの手だろう。

Mini-ITXの場合、メモリスロットがノートPC用のDDR3-SO DIMMを採用している場合がある。写真はGIADA製マザーボード「MI-E350」

デスクトップ用のDDR3-DIMMには高さを抑えたロープロファイル対応メモリが存在する。CPUクーラーとメモリがぶつかって干渉する場合や、超薄型PCケースの場合に重宝する

拡張スロットは1本のみ!
使いたいカードが差せるものを選ぼう

 Mini-ITXマザーボードは、サイズの制限から拡張スロットは1本しか装備できない。拡張カードを使いたい場合は、そのカードに対応する拡張スロットを搭載するマザーボードをチョイスすること。特にPCIスロットを搭載するマザーボードはここ最近激減しているので、PCIカードを使いたい人は古めのマザーボードもチェックするといい。なお、PCI Express x1カードはPCI Express x16スロットに差して使うことが可能なので覚えておこう。
 PCI Express x16スロットは、16レーン接続ではなく8レーン接続のマザーボードがごくまれに存在する。気になる人は、一応マザーボードメーカーのスペックをチェックしておきたい。

PCI Express x16スロットの拡大画像

PCI Express x16形状だけど、x16じゃないスロットの写真。よく見るとピンが半分までしかないことがわかるだろうか

拡張カードの大きさに注意

 小型ケースはLowProfileのみ対応だったり、搭載可能なカード長に制限があったりと、拡張カードにさまざまな制約があることが多い。利用するケースがLowProfileカード以外を使えるか、どれくらいの長さの拡張カードが収まるかはあらかじめ把握しておこう。なお、LowProfile対応ビデオカードはエントリーモデルクラスしかないため、3Dゲーム用PCを目指すなら、ケース選びの時点でフルハイト対応のものを選んでおくとよい。

フルハイト対応ケースでも、ビデオカードが長すぎてケースに収まらないことがあるので、ビデオカードの長さは要チェック

ケースにスロットが1つしかない場合もあるので注意してほしい

ケースに入ると思って買ってきたものの、実際に組んだらビデオカードのクーラーがケースからはみ出してしまうこともある。購入時には気がつきにくい落とし穴だ

ケースによっては5インチベイや3.5インチベイが少ない

 小型ケースはサイズの関係上ドライブベイの数が少ない。超小型ケースだと5インチベイ自体がなかったり、3.5インチベイが1基だけたったりと、ベイが極限まで削られている製品も多い。光学ドライブを使うなら5インチベイは1基必須で、3.5インチベイも増設を視野に入れると2基はほしいところ。もし、ベイが足りない場合は、外付けドライブで運用するなどの工夫が必要になる。2.5インチベイが搭載されている時は、SSDを2.5インチベイに起動ディスクとして搭載することで高速化を図るのもアリだ。
 また、ケースによっては、光学ドライブはノート用のスリムタイプのみ搭載可能な製品もある。スリムタイプの光学ドライブはケースの小型化に貢献するがドライブ価格が高めなので、コストを抑えたい人は注意したい。

小型のPCケースを選ぶ場合はベイの形状を要確認。3.5インチHDDを付けようと思ったのに、フタを開けたら2.5インチベイが2つしかなかったなんてことがないように!

ケース付属の電源は容量不足に陥る可能性アリ

 小型ケースはあまりハイスペックなパーツの組み合わせを想定していないこともあり、付属する電源の容量が低めな場合が多い。エントリーモデルのCPUのみなら200W以下でも大丈夫だが、ミドルレンジ以上のCPUなら300W、さらにビデオカードを使うなら400W以上はほしいところだ。スペック重視で組み上げるなら、電源容量のチェックはぬかりなく行なおう。

ケースに電源が付属されている場合は、最初の段階で電源の容量は確認しておこう

ケースによってはノートPCのようにACアダプターを使用する場合もある。当然ながら電源の容量は80~150Wと少ない

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