22日にラインナップや想定価格が発表された「Office 2010」(関連記事)。23日にはMSDNやTechnetの会員向けに、「Office Professional Plus 2010」の正式版が公開され、製品版と同じ環境でのテストが可能になった。
記事作成の任務を振られている記者も、早速64bit版をインストールしてみたのだが、Office 2010の中に含まれている「Office IME 2010」をテストしていた際に、何の気なしに入力した文字列の変換結果を見て、思わず吹き出した。「まりさ」と入力してスペースキーを押した途端、一発で「魔理沙」と変換したのだ。
ある意味「お堅い会社」というイメージのあるマイクロソフトの、それも基幹製品であるOffice 2010に含まれるOffice IME 2010が、「魔理沙」と一発変換するとは予想だにしなかった。ひとしきり大笑いしたあと、東方プロジェクト関連の名詞を片っ端から入力してみた。その結果が以下のとおりだ。
インストール直後の状態でのテストであり、ほかのIME辞書からの変換は行なわれていない(行なったところで、「こんな候補はねえ!」というのばかりだが)。なお、一般的な名詞に属すると思われるものは除外している(例:十六夜、咲夜)。
一発で変換したもの | 紅魔郷、妖々夢、永夜抄、萃夢想、花映塚、風神録、緋想天、地霊殿 |
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魔理沙、西行寺、幽々子、射命丸、優曇華院、慧音、八意、霖之助、阿求 | |
紅魔館、香霖堂 |
変換候補にあるもの | 文花帖、霊夢、妖夢、萃香、永琳、輝夜、映姫、幽香※1、洩矢※1 |
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0キーを押して表示される候補にあるもの | 博麗、蓬莱山(「ほうらい」と「さん」の2語)、妹紅、犬走、古明地 |
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※1 変換候補にはあるが、候補一覧のかなり後ろにある。
……なんと言うか、「お前もかIME 2010!」といった気分である。ちなみに、「こちや」は候補に「東風や」はあるが「東風谷」はなく、「神奈子」はなし、「すわこ」は「諏訪湖」になった。……この辞書を作った人は守矢神社に何か含むところでもあるのだろうか?(河城や穣子もない) また、星蓮船や非想天則、旧作はフォローされていないようだ。
ネット上のテキストを解析して辞書を作る「Google日本語入力」や、ユーザーが辞書を共有する「Social IME」のような、ネットのトレンドを反映しやすい仕組みを持つIMEならば、こうした変換結果が出ることも驚くほどではない。日本語入力の雄「ATOK」も、ニコニコ動画と協力して「ニコニコ日本語入力 powered by ATOK」サービスを提供している。生きた日本語の代表であるネットの言葉を辞書に取り込む工夫は、いまやIMEのトレンドと言っていい。
その意味では、Office IME 2010がトレンドな話題の語句を辞書に取り込むのも当然のこと。ユーザーに優れたエクスペリエンスを提供するためのたゆまぬ努力が、こんなところからも見えてくると言えそうだ。
……でもやっぱりもう一度言いたい。「お前もかIME 2010!」