NVIDIAチップセットの歴史 その3
nForce 700派生品が主流のAMD向けNVIDIAチップセット
2010年04月19日 12時00分更新
DirectX 10世代のGPUを内蔵したnForce 700シリーズ
これに続き、2008年に投入されるのが「nForce 700」シリーズであるが、これがまた複雑怪奇なことになっている。この世代の製品の大半は、「GeForce 8200M」と呼ばれるDirectX 10相当のGPUコアを内蔵した製品になっていて、これを使っての「Hybrid SLI」が可能となっている。
このHybrid SLIには以下の2種類の技術が含まれているが、大体の製品がこの両方をサポートしている。
- HybridPower
- 利用状況に応じて、内蔵GPUと独立GPUを自動的に切り替える
- GeForce Boost
- 内蔵GPUと独立GPUの両方を同時に利用してSLI動作させる
公式には、700シリーズの発表は2008年5月だが、これに先立つ2008年3月にドイツで開かれた展示会「CeBIT」では、搭載したマザーボードが大挙展示されていた。しかもこの時のCeBITでは、その後になっても“公式には未発表”の製品まで同時に展示されていたことを考えると、後述するnForce 720D以外はすべて、2008年5月にリリースされたと考えるべきであろう。
その2008年5月に発表されたのは、「nForce 780a SLI」「nForce 750a SLI」「nForce 730a SLI」「GeForce 8200」の4製品である。ハイエンドに位置するのがnForce 780aだ。これ自身ではPCIe Gen2 x16レーンを1本持つだけだが、「nForce 200」というブリッジチップ(実体は限りなくPCIe Switch)を併用することにより、図3のように3本のPCIe x16スロットを使っての「Triple SLI」が可能になる。
搭載されるGPUコアはGeForce 8200Mとされるもの。基本的には「GeForce 8400GS」と同じG86コアをベースにしており、スペック的に性能は及ばないという程度だった。そのうえビデオメモリーがメインメモリーとのUMA方式となれば、「8200」という数字は手頃なところだろう。
このnForce 780a SLIからnForce 200のサポートを外し、ESA※1の機能を省いたのがnForce 750a SLIとなる。さらに、nForce 750a SLIからHybrid SLIのGeForce Boostのみを残し、SLI機能そのものは削除した(独立GPU×2のSLIはできない)のがnForce 730aとなる。nForce 730aはまた、内蔵GPUの映像出力も廃されており、この結果、内蔵GPUはHybrid SLIでしか利用できない。
※1 ESA(Enthusiast System Archtecture):オンボードデバイス以外の電源やケースファンなどを管理/制御するプロトコル。
最後の製品がGeForce 8200である。スペック的にはnForce 730aとかなり近いのだが、NVIDIAの説明によれば「microATXフォームファクタに最適化した」という。機能的にはHybridPowerが有効化されている点と、内蔵GPUの映像出力が残されている点以外、nForce 730aとの違いはない。
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