Intelチップセットの歴史 その6
845から945まで モバイルチップセットを振り返る
2010年01月25日 12時00分更新
今回からはインテルのモバイル向けチップセットについて語ろう。モバイル向けと言っても、Pentium Mの登場以降はノートパソコンだけでなく「SFF」(Small Form Factor)向けにも積極的に投入されている。特にPentium Mの時代は、バルクのマザーボードまで売られていたりした。Core 2世代に入って多少下火になった感はあるが、Atomの登場で再び復活といった感じになっており、自作ユーザーにも無縁ではない。というわけで、2002年あたりからのロードマップを簡単に紹介したいと思う。
2002年にMobile Pentium 4-M向けの
「Intel 845MP」が登場
まず2002年3月、「Intel 845E」をモバイル向けとした「Intel 845MP」が登場する。もっとも登場時期では、Intel 845MPの方がIntel 845Eよりも若干早い。また仕様も過渡的で、MCHのスペックはほぼIntel 845Eに準じているが、ICHには「ICH3M」を利用していた。
「Intel 845B」がICH2、「Intel 845E」がICH4だから、順序としてはIntel 845BをベースにしてIntel 845MPが作られて、これをデスクトップ向けに機能追加したIntel 845Eが作られた、という流れかもしれない。このIntel 845MPは、コード名もIntel 845Bと同じ「Brookdale」のままである。
ちなみに、この当時はまだPentium Mが投入されておらず、対応CPUは「Mobile Pentium 4-M」だった。ベースとなるのはNorthwoodコアの「Pentium 4」で、これの動作周波数と電圧を低く抑えることで、なんとか30W~35WのTDPに押さえ込んだものである。35Wともなると、薄型ノートへの搭載はかなり絶望的で、結果として搭載ノートはかなり大型の筐体になった。それでもデスクトップよりは小型に抑えられるということで、このCPUに対応したチップセットである。
また、同時に「Intel 845MZ」も投入されたが、こちらはDDR266のサポートを削り、その分低価格に抑えたものである。
ちなみに、845MP/845MZはどちらもGPUを内蔵していない、純然たるMCHなので、別途AGP 4x経由で独立(ディスクリート)GPUが必要となる。インテルとしては早期に導入したかったのだろうが、結局GPUが統合された「Intel 852GM」が投入されたのは、2.40GHzのMobile Pentium 4-M登場と同じ2003年1月までずれ込むことになる(デスクトップ向けのIntel 845Gは2002年5月に投入された)。
この852という型番がまた微妙で、デスクトップ向けの845シリーズと865シリーズの間に位置している。仕様的には「Intel 845GL」相当といったあたりで、AGPポートを削った代わりに、133MHz駆動のGPUを統合している。133MHzという動作クロックは、「Intel 845G」の200MHzや「Intel 845GE」の266MHzに比べるとかなり低い。モバイル向けなので消費電力を抑える必要があったのだろう。ICHはICH4Mになり、こちらはデスクトップ向けに並んだ形になる。
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