十ン年前ならば、ビジネス上の連絡をメールのみで使うのは、メールという通信手段の信頼性から御法度という雰囲気があったが、現在のメールはまさにビジネス上の命綱。ゆえにスパムメールのうっとおしさや危険性は、すべてのビジネスパーソンにとって身近な問題だ。
このほどソースポッドが発表した「スパムメール実情レポート 2009年3月版」のレポートによると、なんとスパムメールが過去最高の20万通以上も発信されたのだという。ソースポッドは、メールシステム導入コンサルのほか、メール専門情報サイト「SourcePod」を運営している企業。今回の調査は、同社のラボSourcePod Technical Intelligence Labが行なった。
検証環境は、日々送られてくる正常メールとスパムペールを、スパム対策製品に配送する環境を準備して実行するというもの。使われたスパム対策製品は、以下の通りだ。
- IronMail
- Panda GateDefender Performa
- SPAM WATCHER Appliance
- Symantec Mail Security 8300シリーズ
- マトリックススキャンAPEX
テスト結果は、英語が依然95.3%と多く、日本語は2.64%。メールの形式は、multipart形式:text形式の比率が、英語では6:4、ロシア語では4:6、日本語はほとんどがtext形式になった。フィッシングメールは先月と比較すると一部減少傾向にあるとのことだ。そして、驚くのがスパムメールの数。20万通以上というのは、過去最高なのだそうだ。2月は減少傾向にあったらしいが、3月初旬から急増し、多い日は1日8000通超ということもあったとのこと。
気になるのが、スパム急増によるスパム検知率の低下。じっさい、社内でやりとりしているメールが1製品で誤判定を受けてスパムと見なされたという。スパム判定されたメールは本文中にスパム的な内容がなかったため、ソースポッドではレピュテーション機能などで判定されたのではないか? と見ている。
また、判定漏れについてだが、検知率が大幅に低下した。これについては、同じ内容のメールが多かったため、そのメールをいったん見逃すと、結果的に大量のメールを見逃すことにつながり、検知率の低下を招いたのだという。
ソースポッドのWebページでは、スパム調査の比較検証データを、無料会員のみに公開している。