このページの本文へ

ニフティのモバイルWiMAX戦略を聞く

2009年03月18日 11時00分更新

文● 小林 久/トレンド編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

モバイルでもADSL並みの速度、光より安く


── モバイルWiMAXの期待値に関してはいかがでしょう。

現在のサービスエリア(UQコミュニケーションズのウェブサイトより)。現在の段階では首都圏の一部

 モバイルWiMAXに関しては、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの3キャリアが免許取得のために動いていましたが、このうちソフトバンクとNTT系の企画会社に関してはニフティも出資する意思を示して、状況を見ていた感じですね。そういう意味ではニフティも早期からWiMAXに取り組んでいました。

 (技術的には各社ほとんど違いがないのですが)このときは総務省がどこに免許を下ろすかが勝負で、結局、KDDI系のUQコミュニケーションズがサービスを開始することになったのですが。


── モバイルWiMAXに関しては当初は山手線周辺、徐々に接続エリアを広げていくというイメージだと思います。

 いまはエリアが限定されていますが、一度エリアに入ってしまったユーザーの立場では、つながることが当たり前になるはずです。そのために豊富な選択肢を用意しておく必要があります。


── ニフティの会員でモバイルを楽しんでいる割合はどのぐらいになるのでしょうか?

 当社が公表している数字としては、ブロードバンド会員が全体で175万人。イー・モバイルの回線を利用する「@nifty Mobile BB」会員が約1万人です。


── モバイルの割合は1%に満たない計算ですね。

JR山手線に関してはほぼカバーできているようだ

 @niftyの会員ならインターネットを接続する方法を自由に選べるというのが、長い目で見れば重要だと考えています。

 今回はいち早くモバイルWiMAXへの取り組みを始めましたが、肩入れせずに、新しいサービスには対応していきたいと考えています。例えば、サービス開始が予定されているWILLCOM COREに関しても、エリア的に補完する部分があると思うので対応していきたいですね。


── キャリアの色がない点は@niftyの強みと言えそうです。

 キャリアのプロバイダ事業ではやりにくい面もあるでしょう。そういう意味で、われわれの立場は中立で、開通できるサービスをあまねく提供していきたい。


── UQ WiMAXの料金(月額4480円)に関してはどう考えていますか?

 高くはないが、安くもないという印象ですね。これに対して@niftyがどう値付けしていくかを考えなければなりません。料金的には、ADSLと光の間ぐらいというイメージですが、可能であれば、ADSLと同じぐらいにしたいなとは思っています。現在ADSLで一番安いプランは約2000円(12Mbps)。50Mbpsなら4000円のレンジになる。光だと6000円程度になってしまいます。

 ADSLには局舎からの距離に依存する部分があって、地域によっては高速な接続ができない。かといって光にすると接続料が高価になりすぎる──そんなジレンマもあるでしょう。(仮に2Mbps程度の速度が出るとして)モバイルWiMAXでもADSLの中速帯程度の速度は出ているわけです。自宅で使うにも十分と感じるユーザーがいるかもしれません。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン