HDDレコーダー機能をポケットサイズで実現!!
大幅に強化された録画機能
タイマー予約機能では、“視聴”“録画”“視聴+録画”と3つのモードを選べるようになった。なお、この画面ではEPGによる番組情報を参考にタイマー予約を試みているため、番組名の取得も行われている。 |
新モデル(V30E/V60E)で最も強化されたポイントは、冒頭でも触れたとおり“録画機能”である。従来モデル(V30T)では録画予約できる番組は1つのみで、しかも録画予約をセットするとその予約が実行されるまでは“曲を楽しむ・写真を見る”といったほかの機能が使えなくなるなど、録画予約機能を積極的に使うのは厳しい状況であった。つまりV30Tを一般的なHDDレコーダーの感覚で使うことができなかったのである。そのため今回のモデルチェンジでは録画予約機能の改善が強く期待されたが、そんな期待に応える機能強化がなされている。
タイマー予約リスト。セットした予約の確認や変更はここから行なう。 |
まず、タイマーによる予約が“視聴”“録画”“視聴+録画”の3パターンから選択できるようになった。指定できる日時の範囲は1週間先までで、登録できるタイマー予約の数については最大16件と大幅に増えた。同じ時間帯に放送される番組の定期的な録画予約、EPG(電子番組表)からの録画セットにも新たに対応している。なお、録画時間は30GB HDDのV30Eで約140時間(416kbps時)、60GB HDDのV60Eでは約290時間(同)となる。
録画した番組の一覧。録画した日付や番組名、チャンネルを基準にソートできるようになっている。 |
さらに、V30Eでは録画予約をセットした後でも曲の再生などほかの機能が利用でき、その場合には指定時刻(録画開始)前にタイマーでセットした内容を実行するか(現在の機能を中断するか)選択を求めるメニューが表示されるようになっている。録画中にも曲を聴くといったマルチタスクは実行できないが、タイマー予約で録画のみを選択した場合でも、簡単なボタン操作で録画中の映像をライブ表示することは可能だ。
こうした一連の機能強化により、録画予約が大変使いやすくなった。家で録画(予約録画)したTV番組を通勤・通学中に楽しむ――なんてことも、V30Eであれば単体で簡単に実現できる。これを一般的なポータブルビデオプレーヤーで同様のことを行なおうとしたら、録画した映像の変換や書き出しなど、パソコンや高機能HDDレコーダーとの連携が不可欠で手間も時間もかかる。朝、出掛けにちょちょいと済ますのは難しいだけに、単体で気軽に録画予約・再生できる本機には大きなアドバンテージがある。
価格はオープンプライスで、東芝が運営するオンラインストア“Shop 1048”での販売価格は4万9800円。ポータブルTVとしての機能は十分で、録画機能も大幅に強化された。ワンセグなので画質はそれなりではあるものの、TV+HDDレコーダーの組み合わせが手のひらに乗るサイズに収まり、好きな番組や録画した映像をどこででも気軽に楽しめるのは新しい“gigabeat V”シリーズならではの魅力だ。
持ち運ぶとなると使用時間を気にする人もいるかもしれないが、負荷の高いTVの視聴でもカタログスペックで約7時間とロングバッテリーライフを実現。実際に映像の明るさを“標準”、“内蔵スピーカー使用”という設定でTVを連続視聴したところ、6時間40分ほど視聴できた。映画1本の視聴やスポーツ中継の観戦にも問題なく使用できるはずで、バッテリー面の心配はないだろう。
TV番組を気軽に楽しめるポータブルTVが欲しい人はもちろん、TVチューナーカードで録画した番組をポータブルビデオプレーヤーに転送して楽しんでいる人などにも、V30Eは強くお勧めできるモデルである。
gigabeat V30Eの主なスペック | |
製品名 | gigabeat V30E |
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再生オーディオ形式 | WMA(Windows Media Audio)、WMA 9 Lossless、MP3、WAV |
再生ビデオ形式 | WMV(Windows Media Video) |
再生静止画形式 | JPEG |
記録メディア | 1.8インチHDD 30G(ワンセグ録画、416kbps時:約140時間) |
液晶ディスプレー | 3.5インチTFT液晶パネル(QVGA表示) |
チューナー | 地上デジタル(ワンセグ) |
インターフェース | USB 2.0、ヘッドホン出力/ビデオ出力端子 |
電源 | リチウムイオン充電池 |
視聴時間 | 約7時間(ワンセグ視聴)、約9時間(ビデオ再生)、約27時間(オーディオ再生) |
本体サイズ | 幅約124.0×奥行き22.5(最薄部19.5)×高さ75.0mm |
重量 | 約230g(本体のみ) |