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Easy Share V705 デュアルレンズ デジタルカメラ

Easy Share V705 デュアルレンズ デジタルカメラ

2006年12月07日 00時33分更新

文● 行正 和義

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小気味いい操作感覚

上部
本体上面。右から、シャッターボタン、電源ON/OFFボタン、シーンモード、動画撮影、お気に入りモード(指定画像の再生モード)のボタンが並ぶ。

 操作性も従来機と基本的に変わっていないのだが、上面の電源ボタンを押せば“カシュ!”という小気味いい音とともに、前面のレンズカバーがスライドして撮影可能となる。なお、電源ボタンに限らず上面にある“シーンモード”ボタンでも“動画モード”ボタンでも“お気に入りモード”ボタンでも、つまりはシャッターボタン以外ならば何を押しても電源が投入される。屈曲式光学ズームなので、カバンの中で万一押し間違えてもレンズが出っぱることはない。



サンプルその1
サンプル1 超広角レンズでの撮影結果。パンフォーカスレンズならではの「近くから遠くまでピントがあったように見える」描写となっている。プログラムAE、1/60秒、F2.8、ISO 50。元画像は3072×2304ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングしたほかの補正はかけていない。
サンプルその1のアップ サンプルその1の右下のアップ
サンプルその1のアップサンプルその1の右下のアップ
サンプルその2
サンプル2 サンプル1と同じアングルからズームレンズの広角側で撮影。コンパクトデジタルカメラなので「ボケ味を云々」というほどのことではないが、背景はそれなりにボケて前景が際立つ。プログラムAE、1/30秒、ISO 50。ただし屈曲光学系にありがちなのだが周辺部の画像が流れてしまい、パンフォーカスである超広角レンズよりも画質は良くない。
サンプルその2のアップ サンプルその2の右下のアップ

 ズームレンズと超広角レンズの切り替えは背面のズームボタンで行なう。具体的には、ズームレンズ側を使って最広角まで引くといったん停止し、さらに広角を押し続ければ超広角レンズへと切り替わる。デジタルズームをONにしていると、超広角レンズからデジタルズームとズームレンズでの光学ズーム、さらにズームレンズのデジタルズームがシームレスに切り替わるようになる。といっても光学ズームとデジタルズームの間では“一時停止”があるので、デジタルズームに入ったかどうかは、すぐ分かる。なお、電源投入直後は常に超広角レンズを使用するようになっている。

サンプルその3 サンプルその4
サンプル3、4 コダックならではの深い色合いも魅力のひとつ。サンプル3(左)はカラーモードを“ナチュラル”で、これでもかなり鮮やかな発色だが、“ビビッド”にするとサンプル4(右)のような非常に深い色味となる。いずれもズームレンズの広角側で撮影。プログラムAE、ISO 50。サンプル3は1/400秒、F3.9。サンプル4は1/500秒、F3.9で、露出自体はサンプル4のほうがやや暗いのは当然だが、色味自体もかなり濃くなった。

 超広角レンズはパンフォーカスを採用するためピント合わせの時間も必要なく、速写性は非常によい。パンフォーカスは絞り込んで被写界深度を極端に深くしたレンズであるため、本来のピント位置以外は描写が甘いものだが、撮影結果を見てもズームレンズを使ったものと比べてきっちりとしたシャープな画像になっており、心地いい。逆に、ズームレンズを用いた撮影結果では広角時の周辺部がかなりボケ気味になるのが気になった。同種の描写力低下は屈曲光学系ズームレンズを搭載するコンパクト機で比較的よく見られる傾向で、小型ズームレンズとプリズムによる光路の折り曲げの組み合わせは画質に対してあまり良くないようなのだが、特に本機のズームレンズでは広角時の周辺部分がひどくぼやける傾向にある。その結果周辺描写に関しては、フォーカス付きズームレンズよりもパンフォーカスながらも単焦点レンズの超広角レンズのほうが明らかにシャープな描写となっている。

サンプルその5 アップ
サンプルその6 アップ
サンプルその7 アップ
サンプル5、6、7 ISO感度による画質比較。いずれもズームレンズ広角側で撮影した。ノイズリダクション処理は強力で、感度をあげてもざらついた印象は少ないが、周辺の画素によってノイズを均してしてしまう処理のため、高感度になればなるほどディテールが失われてぼやけた印象となる。サンプル5(上の2枚)はISO 100、1/25秒、F3.9。サンプル6(中央の2枚)はISO 400、1/100秒、F3.9。サンプル7(下の2枚)はISO 1000、プログラムAE。1/250、F3.9。いずれもプログラムAE。

 最近はコンパクトデジタルカメラにも広角ズームレンズをウリにする機種が増えてきており、広角レンズの利点や楽しさはいまさら書くまでもないことだが、それを気軽に持ち歩けるV705の魅力はやはり非常に大きいと感じる。しかもズームレンズを併せ持つことで人物スナップなどで“普通のデジタルカメラ”としても利用できるメリットは大きい。奇麗に撮れる広角とズームを両立させているのは貴重であり、デュアルレンズというユニークな構造上の特徴からあたかも“イロモノ”に見られそうな本機であるが、気軽に超広角撮影を楽しめる優れた製品のひとつに数えられるだろう。

Kodak EasyShare V705 デュアルレンズ デジタルカメラの主なスペック
製品名 Kodak EasyShare V705 デュアルレンズ デジタルカメラ
撮像素子 有効710万(総738万)画素1/2.5インチCCD×2
レンズ ウルトラワイド:固定焦点、f=2.8mm(35mmフィルムカメラ換算時:23mm)、F2.8
ズーム:光学3倍ズーム、f=6.4~19.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:39~117mm)、F3.9~4.4
静止画撮影 最大3072×2304ドット
ISO感度 オート、ISO 50/100/200/400/800/1000相当
動画撮影 640×480ドット/30fps(QuickTime形式MPEG-4圧縮)
液晶ディスプレー 2.5インチハイブリッド液晶(23万画素)
記録メディア 内蔵32MBフラッシュメモリー、SDカードスロット
インターフェース USB、AV出力、DC入力(ACアダプター付属)
電源 専用リチウムイオン充電池(KLIC-7001)
撮影可能枚数 約150枚(CIPA準拠)
本体サイズ 約101(W)×20.4(D)×49.8(H)mm
重さ 125g(本体のみ)

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