このページの本文へ

PS3発売記念イベントの裏側で――波乱のビックカメラ有楽町店に並んでみた

2006年11月11日 15時17分更新

文● 編集部 橋本 優

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

しかし“列は作らせない”という店側の方針にもかかわらず、PS3を狙う客は途絶えることがない。気を取り直して周囲を見渡して見ると、PS3を狙っている老若男女は、ビックカメラ店舗から少し離れた場所から、遠巻きで店舗をにらむように待機している。我々もその群衆に加わりつつ、様子を眺めることにする。ちなみに、その約半数ほどはアジア系外国人(特に中国語が飛び交っていた)だったのではないかと思う。

徐々に増えてくる並び客
徐々に増えてくる並び客

終電が終わった11日の午前1時を過ぎると、列待ちの人間はかなりの数に上った。我々の概算では約500名ほど。店から何台のPS3を販売するかの情報は入っていない。予約数や他店の状況などを考慮して、我々は“ビックカメラ有楽町店のPS3販売台数を良くて300台ぐらい”と勝手に予想。これでは「ここにいる全員がPS3を手にすることは絶対ない」と不安に感じた。午前5時に列ができる際には、何としてでもベストなポジションを確保しなければならない。おそらく、ここにいる群衆の気持ちも同様だろう。

我々はPS3をいかにして購入するかの作戦を立案することにした。

午前3時疲れ果てるコバQ
午前3時。前日の仕事から約24時間不眠不休で疲れ果てるコバQ

さて、ここでビックカメラ有楽町店の状態を解説する。有楽町店は北南に伸びる長細い形をしており、西側にはそれに沿うように大きな公道が延びている。一方、東側にもあまり広くない道があり、ここから製品の搬入などを行なっている。つまり裏手だ。ビックカメラと西側の公道の間には歩道があるが、その歩道に面した店頭にPS3の販売スペースが置かれていた。ただし歩道は列を作るためのスペースとして、通行人が立ち止まれないように警備員が誘導を行なっている。その結果、群集はビックカメラの裏手の道と、公道を挟んだ反対側の歩道に待機していた。つまりビックカメラの店舗を挟んで、東西で群集が別れている形である。

ビックカメラ有楽町店西側 PS3販売スペース
ビックカメラ有楽町店西側の公道向かいの群集。1車線埋め尽くすぐらい見事に路上に飛び出している店のショーウィンドウ付近に、PS3販売スペースが構築されていく

この状態が非常に危険なことを、我々は予知していた。

片側2車線の公道の対岸に陣取った群集は、おそらく5時になると同時に、一斉に道路を横切って店頭に走るだろう。その際には、ビックカメラ裏手の群集も一斉に動き出し、2つの群衆がもみくちゃになった状態で店頭で合流するだろう。そうなれば大混乱になるのは必至だ。いかにして、混乱を避け、ベストなポジションを取るか、そのための策を練らねばならない。

状況を冷静に判断して、我々が選択したのが、公道を挟んだ反対側の歩道に待機することだった。公道を横切る必要はあるが、販売スペースに一直線に走って到達できる場所であり、混乱に乗じて先頭を狙う、という作戦もありうる。混雑が予想される、店舗正面の広場(ホワイエ)を通過せずに済むため、移動も比較的容易だろう。議論に議論を重ねた結果、我々はそこで5時になるのを待つという作戦を採った。

臨戦態勢の筆者時計も4時半をまわり、いよいよ列ができると期待に胸をふくらませる筆者

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン