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MY-IPTV Anywhere

MY-IPTV Anywhere

2006年10月10日 21時48分更新

文● 伊藤 裕也

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ネットワーク経由とは思えないTV画面の美麗さ!! H.264サポートで高い映像品質を実現

 TVサーバーとクライアントを接続すると、TVサーバーで受信した映像がクライアントのスクリーンに表示される。映像のフレームサイズは320×240ドットで、スクリーンの表示サイズは2倍あるいはウィンドウサイズの自由変更によって任意のサイズに拡大できるほか、フルスクリーン表示も可能だ。チャンネル変更時のタイムラグはネットワークの状況次第だが、家庭内ネットワークで有線接続していれば指定とほぼ同時に切り替わり、インターネット経由では2~4秒程度待つこともあった。もっともこれは遠隔地からネットワーク経由でTVサーバーにアクセスしているので、しかたのない部分ではある。

ビットレート設定
ビットレートはMY-IPTV任せでもまず問題はないが、オートで満足できない場合には手動で指定することもできる。ビットレートの手動調整は100~900kbpsの間で、好みの値(100kbps単位)を設定することも可能だ。

 この映像表示で目を引くのが、表示される映像の美しさだ。ネットワーク経由での接続なのでネットワークの状況によっては時折ドロップフレームが発生するものの、サーバー・クライアント間で映像を転送する際の符号化アルゴリズムにH.264を採用することで1Mbps以下の低ビットレートでもブロックノイズの少ない映像が実現されている。ビットレートの設定は“オート”のほかユーザーによる設定が可能で、ユーザー設定時には最高900kbpsまで指定できる。試しにオート設定でアスキー社内から自宅のサーバーにアクセスしたところ、ビットレートは500~700kbps程度を維持するよう調整されていた。この程度であれば標準の表示サイズで視聴するには十分で、ADSLで回線速度が低いプランを契約している人でもTV番組を楽しむことができるだろう。なお、ユーザー設定の最高900kbpsはどうやら目安のようで、その設定にしたところビットレートの表示で1Mbpsを超える瞬間があったことも付け加えておく。

会員情報の管理 クライアントソフトでのチャンネル一覧
MY-IPTVのサービスサイトでは会員情報の管理を実行できるほか、クライアントソフトと連携することでTV番組の一覧表示などを行なえる。なお、TV番組の一覧表示はクライアントソフト単体でも実行可能だ。クライアントソフトでのチャンネル一覧はこのような表示になる。

 こうなると、「ワンセグ端末とどちらが綺麗なのか?」という点が気になる人もいるだろう。ワンセグの仕様はフレームサイズが320×180ドット、ビットレートは416kbpsで、実際に視聴してみると2~3インチ程度の小型液晶ディスプレーを搭載した携帯端末向けの映像としては健闘しているものの、スポーツなど動きの激しい映像ではブロックノイズが目立ってしまうし、ノートパソコンのような10インチを超えるディスプレーでは映像の粗さが否めない。MY-IPTVにはネットワークの遅延などによってドロップフレームが発生する可能性もあるが、フレームサイズやブロックノイズなどをトータルで考えても、画質面ではMY-IPTVが確実に有利だ。


 MY-IPTVではこのほかにも、冒頭で触れたとおりMPEG-1フォーマットでサーバーのHDDにTV番組を記録する機能があるが、残念ながら現時点で提供される録画機能はオマケ程度と考えた方がいい(録画ソリューションとしては、より高画質に記録できるHDDレコーダーやソフトが多いので)。また、クライアントのウィンドウサイズを変更した際にスクリーンサイズの縦横比が保持されない(縦長や横長でも変形できてしまう)、TVチューナーと外部ビデオ入力の切り替えがクライアントから行なえないなど、作りこみが甘く感じられる部分も見られた。

 とはいうものの、映像品質の高さをセールスポイントとするだけあって映像品質は高く、サーバー・クライアントの接続もそれぞれのソフトからIDとパスワードを入力するだけと、ネットワークの知識がなくても簡単に行なえる。TV番組の視聴に関して言えば大変優秀だ。将来的にはソフトウェアのアップグレードにより、H.264フォーマットでの録画機能提供や手動でのリモート録画予約(日時やチャンネルを指定)、Windows Mobile用クライアントソフトの開発、ならびにウェブサイト上で提供される番組表を使っての予約録画機能の提供なども検討されている。外出先からいつでも気軽にTVを見たいと考えている人にとって、MY-IPTVは魅力ある選択肢といえよう。

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