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CAMEDIA SP-510UZ

CAMEDIA SP-510UZ

2006年09月25日 00時18分更新

文● 行正 和義

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 ボディーデザインやサイズはC-700 Ultra Zoomと比べてもあまり変わっていないのだが、持ったときの安定感や非常にいい。カーソルキーに割り当てられた各種機能とFUNCボタンを用いたオンスクリーンのメニューによる操作性もかなりこなれてきており、同社が一時期導入していた十字型表示されるメニューシステム(MENUによって起動するメインメニューとしては残っている)と比べても各機能へのアクセス性は良くなった。レンズ伸張など起動動作はややもったりとしているものの、バッグなどから取り出して即写するといった携帯用コンパクト機というわけではないので使用上特に問題はない。

サンプルその1 アップ
サンプル1 直射日光下ではないためやや地味な色あいになってしまった。AEはやや暗めに写る傾向もあって色味や絵作りはおとなしめだ。広角側で撮影。絞り優先AE、1/160秒、F6.3、ISO 50。元画像は3072ドット×2304ドットで、640×480ドットにリサイズおよびトリミングしたほかの補正はかけていない。
サンプルその2 アップ
サンプル2 撮影サンプル1と同じ場所で望遠撮影を行ったもの。最大望遠でも描写力はそれほど落ちていない。絞り優先AE、1/160秒、F6.3、ISO 50。

 発色はやや濃い目ながらも彩度強調が少ないのは、CAMEDIAシリーズならではの仕上がりだ。広角/望遠ともに画質は良好で望遠側でも大きな描写力の低下は少ない。

 低感度域でのノイズ感はかなり抑えられているが、ISO感度を上げて撮影してみるとISO 400あたりまではなんとかなってもISO 800以上ではざらつきが激しく、画素混合による高感度モードでも輝度ノイズそのものは少なくなるが輪郭や細部描写ががたついてしまい、手ぶれなしで夜景や望遠を撮れるメリットはあるが、常用にはしづらいところだ。

サンプルその3 アップ
サンプル3 高感度撮影を行なえば薄暗い状態でも手持ちでぶれなく撮れるものの、ノイズによって画像はざらついてしまう。手ぶれ防止モードで撮影、1/15秒、F2.8、ISO 800。
サンプルその4 アップ
サンプル4 画像サイズは小さくなるものの画素混合によってノイズを抑えつつISO 2500/4000の高感度撮影が可能だ。ISO 2500で撮影したもので、ざらつきは減少しているものの輪郭やディテール感が大きく損なわれる。ひさし部分の直線は輪郭がきちんと出ているなど、輪郭抽出を用いているようだ。なお、ISO 4000ではこのままざらつきが多くなる印象。絞り優先AE、1/40秒、F2.8、ISO 2500。元画像は2048×1536ドット。

 光学式手ぶれ補正機構の普及もあって高倍率の望遠デジタルカメラもかなり一般的になってきたが、その望遠機も携帯しやすいコンパクト機とフルマニュアル撮影が可能な高機能機の二極化が進んでいるようだ。本機は後者にあたり、大柄なボディーとマニュアル露出系機能など、いろいろ使い込んで撮影を楽しむ、学ぶのに適した製品と言える。望遠機の大きな需要が“運動会シーズンにおける子供撮り”というデジタルカメラ初心者向け市場としてあるのだが、ISO感度向上による画像の荒れをどこまで許容するか、あるいはパソコンに転送してからの画像補正などの手間を考えると、入門用望遠機を選ぶならば光学式手ぶれ補正搭載のほうが向いているだろう。やはり本機は入門向けというよりも、望遠撮影も可能なマニュアル機として捉えたい。

サンプルその5 アップ
サンプル5 描写そのものは良好で、光学10倍ズームを手軽に持ち歩けるという点ではお買い得感は高いと言えるだろう。絞り優先AE、1/250秒、F3.7、ISO 50。

 マニュアル撮影にも対応した高機能なレンズ一体型デジタルカメラとしては、同社には「C-x0x0シリーズ」があったものの、一眼レフデジタルカメラ“E”シリーズの発売もあってラインナップからは消滅してしまい、マニュアル志向の小型機としては「CAMEDIA SP-350」(2005年10月発表)が残るのみだ。SP-510UZはボディーデザインなどC-x0x0シリーズを継承するところもあるが、いかにも普及・低価格機といった安っぽい外装などは物足りない印象を受けた。4万円を切る実売価格を考えればやむを得ないところではあるが、本格撮影にステップアップするマニュアル撮影入門機として見るならば価格以外にも、もう少し魅力が欲しかったように感じる。

CAMEDIA SP-510UZの主なスペック
製品名 CAMEDIA SP-510UZ
撮像素子 有効710万画素 1/2.5インチCCD
レンズ 光学10倍ズーム、f=6.3~63mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~380mm)、F2.8~3.7
静止画撮影 最大3072×2304ドット(ISO 2500/4000時は2048×1536ドット)
ISO感度 オート、ISO 50/100/200/400/800/1600/2500/4000相当
動画撮影 640×480ドット/30fps(MotionJPEG圧縮QuickTime形式)
液晶ディスプレー 2.5インチTFT(約11万5000画素)
ビューファインダー 0.2インチ反射強誘電液晶EVF(20万1000画素)
記録メディア 内蔵約21MBフラッシュメモリー、xDピクチャーカード
インターフェース USB、AV出力、DC入力(ACアダプターはオプション)
電源 単3電池×4本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池)
撮影可能枚数 約630枚(アルカリ乾電池)
本体サイズ 105.5(W)×70(D)×74.5(H)mm
重さ 325g(本体のみ)

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