このページの本文へ

“VAIO type T”VGN-TX92PS/TX92S

“VAIO type T”VGN-TX92PS/TX92S

2006年06月14日 18時57分更新

文● 伊藤 裕也

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ビジネスでの使用に大きな安心をプラスする3つの保護機能

カーソルキーの右下、FeliCaポートの右隣にレイアウトされている溝に指を滑らせることで指紋認証を行なう。

 今回のVGN-TX92PS/TX92Sからは、新機能として“HDDプロテクション”が標準搭載されている。また新たにHDDに保存された情報を守るための機能を仕様選択により追加できるようになった。それが“指紋認証”“TPM”である。

“HDDプロテクション”がオンの状態で本体を揺らすと、画面のように注意を促すメッセージが表示され、HDDのヘッドが自動的に退避する。HDDプロテクションの設定画面。感度を3段階から設定できるほか、ヘッドを退避させた時のメッセージの表示・非表示の選択もここから行なえる。なお、この画面では振動のレベルをリアルタイムでモニタリングすることも可能だ。

 HDDプロテクションは落下などにより本体に激しい衝撃が加えられると予想される状況で、その予兆となる動きを検知し、衝撃が加わる前にHDDのヘッドを退避させる機能。本体を誤って落としてしまった場合など、HDDのヘッドがプラッターを傷つけてデータが読めなくなる、という事態を避けられる。どの程度の動きでヘッドを退避させるのかは、ソフトウェアから3段階に設定できるようになっている。

指紋をスキャンすると指紋認証・管理ソフトである“Protector Suite QL”のメニューがデスクトップ上に表示される。コンピュータのロックや暗号化により保護されたフォルダのアンロック、設定画面の呼び出しなどが可能。Protector Suite QLにより作成される“My Safe”フォルダは、格納したファイルを暗号化し保護する。指紋認証を行なわなければフォルダを開くことはできず、認証に失敗すると画面のようにパスワードを要求される。
Protector Suite QLの設定画面。指紋の追加登録やMy Safeフォルダのサイズ変更などはここから行なう。

 指紋認証は、Windowsのログオンやコンピュータのロック解除を指紋のスキャンにより実行できる機能だ。指紋認証・管理ソフトウェア“Protector Suite QL”は、指紋の照合がなければアクセスできないフォルダの作成なども行なえる。指紋認証を用いるとWindowsのログオン時にキー入力の必要がなく、素早く行なえるのがメリット。セキュリティーと扱いやすさを高い次元で両立できるのは、生体認証ならではの大きな魅力だ。外に持ち運ぶモバイル機には非常に重宝する機能である。

 最後のTPMは、“Trusted Platform Module”の略で、乱数の生成や秘密鍵の保存といった機能を有するセキュリティチップのこと。万一HDDを引き抜かれて持ち去られたとしても、TPMを使用してデータを暗号化しておけば、復号化するための秘密鍵はTPMのほうに保存されているため、暗号を読解される確率はぐっと低くなる。

 これらの機能はいずれも、ビジネス向けのモバイルノートでは必須となりつつあるものだ。type Tシリーズはボディーがスリムかつ軽量で持ち運びやすいことからモバイルノートとしてビジネスに活用している人も実際のところ少なくないとは思うが、ことデータの保護といった面ではほかのビジネス用モバイルパソコンと比較して一歩譲る部分があったことは事実。特にそうした部分を求められるビジネスユーザーにとっては、これらの新機能は大きな魅力といえるだろう。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン