ノーテルネットワークス(株)は25日、都内の本社会議室に報道関係者を集め、同社のアプリケーション・スイッチ“Nortel Application Switch”に(株)シマンテックのネットワーク侵入防御システム“Symantec Intelligent Network Protection”を組み込むことを発表した。提供開始時期は6月で、年間ベースの加入契約となり、年間ライセンスは89万9000円。アプリケーション・スイッチ製品込みの場合は、663万8000円からとなる。
アプリケーションスイッチのエントリーモデルである『2208』。10/100BASEのEthernetポート×8、GbEポート×2を搭載する |
『Nortel Application Switch』は、企業やデータセンターなどにおけるアプリケーションに対する負荷分散や最適化を図るほか、DoS攻撃に対する防御、P2Pの防止などセキュリティー機能も持つアプリケーションスイッチである。ここに“Symantec Intelligent Network Protection”を組み込むことにより、ワームやトロイの木馬などの悪意を持つソフトの侵入を防御でき、防御層をさらに増やすことができる。
防御層の概念図。“System Intelliget Network Protection”でもう1層増やすことで、幅広い攻撃から防御できる |
記者発表会では、ノーテルネットワークス エンタープライズ&チャネルズ営業本部 常務取締役の平松敏之氏、米ノーテルネットワークス データセンターソリューションズ ポートフォリオリーダーのワッシム・タウビ(Wassim Tawbi)氏、そして(株)シマンテック 製品戦略本部 本部長の足立修氏らが出席し、製品・サービスの紹介を行なった。
エンタープライズ&チャネルズ営業本部 常務取締役の平松敏之氏 |
平松氏は始まりの挨拶として「ノーテルとしては現在、“Alteon(アルティオン)”と呼ばれていた製品を“アプリケーション・スイッチ(Application Switch”という名称に変えてきており、今回紹介する製品は、特にセキュリティー部分を重視した製品である」と語った。
米ノーテルネットワークス データセンターソリューションズ ポートフォリオリーダーのワッシム・タウビ(Wassim Tawbi)氏 |
次にタウビ氏より製品の概要が説明された。タウビ氏は「多くの“入り口”が存在する現在のネットワークにおいて、多層防御を行なうレイヤード・セキュリティーが必要としており、まず初期段階での保護をする必要がある」とコメント。また「OS、アプリケーション、インフラの脆弱性が連日発表されるなか、パッチの導入やシステム更新のための時間の確保ができない」とするが、「セキュリティーをネットワークの構成そのものに組み込むことでこれらを解決できる」と語った。
この“Symantec Intelligent Network Protection”は、もともとアプリケーション・スイッチに入っているGUIのASEM(Application Switch Element Manager)を通じて使用するので、新たなハードウェアを購入することなく、同社の既存のアプリケーション・スイッチにも低コストで導入できるのが利点だ。
タウビ氏は最後に「このシステムはアドオンの形で機器に組み込むことができるので、既存のアプリケーション・スイッチを使用する顧客にも提供できるが、IPSに変わるものではない」とコメントした。
(株)シマンテック 製品戦略本部 本部長の足立修氏 |
最後に足立氏が“Symantec Intelligent Network Protection”について3つのカテゴリーで説明した。
- ネットワーク侵入防止技術
- ネットワーク関連の深刻なワームを阻止
- システムの脆弱性(exploit)がはびこる前に脆弱性関連の保護を提供
- ワーム、悪意があるコード、バックドア、侵入を阻止
- セキュリティーレスポンス
- 同社のセキュリティーレスポンスが24時間365日、すべての重要なイベントを保護
- 世界5カ所のセキュリティーオペレーションセンターによる迅速かつ包括的な調査分析結果を提供
- Live Update
- 5分から10分に1回の割合で更新される対策プログラム
「全世界のセンサーで検知されたワームやウイルスは、コンシューマー、企業、エンタープライズ向けに等しく配信される」(足立氏) |