カシオ計算機(株)は15日、ノートパソコンなどの携帯機器向け燃料電池に適した発電セルスタックを開発したと発表した。これは体積あたりの出力密度を世界最高水準まで高めたというのが特徴。
開発した発電セルスタック |
開発した発電セルスタックは、金属セパレーターとMEA(Membrane Electrode Assembly:膜・電極接合体)で構成される発電セルを20枚重ねた積層構造となっているのが特徴。ガス封止機構の小型化や高密度実装などによる小型化と、ガス流路の最適化やMEAの一酸化炭素に対する耐性向上などによる高出力化が図られており、スタックピッチが0.71mm、本体サイズが幅18×奥行き65×高さ19mm(体積22ml)で、出力は19.4W。体積あたりの定格出力(体積出力密度)は携帯機器用で世界最高という882W/Lとなったという。定格電圧は13.9V。燃料ガス成分は、H2:75%、CO2:約25%、CO:10ppm。
同社では、この発電セルスタックをマイクロ改質モジュールと組み合わせることで、小型/高出力の携帯機器用燃料電池を実現できるとしており、現在のリチウムイオン充電池と同体積(燃料カートリッジ込み)とした場合、ノートパソコンの駆動時間を約4倍にできるとしている。今後、2007年度をめどにサンプル出荷を開始する予定で、関係各社と実用化に向けの協業を含む開発を進めるとしている。