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アップル、第2四半期の業績を発表――iPodを起爆剤に成長し続けたこの3年間をグラフで振り返る

2006年04月21日 21時05分更新

文● 編集部 広田稔

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米アップルコンピュータ社は20日、同社の2006年度第2四半期(1月~3月)の業績を発表した。売上高は43億6000万ドルで、純利益は4億1000万ドル。2005年同期(売上高は32億4000万ドル、純利益は2億9000万ドル)と比較すると、売上高が34%、純利益が41%増加している。

今期の業績について、アップルのCEO(最高経営責任者)、スティーブ・ジョブズ氏は「Intelプロセッサーへの移行は非常に順調であり、音楽事業もこの四半期に大幅な成長を遂げた」と発言。また、アップルのCFO(最高財務責任者)、ピーター・オッペンハイマー氏は「アップル設立以来2番目に高い業績として報告することができた」とコメントしている。以下、アップルの資料を元に過去3年の業績をまとめた。

●過去3年間における業績の推移
四半期 売上高(万ドル) 純利益(万ドル) Mac出荷台数(万台) iPod出荷台数(万台)
2003 第3四半期(4月~6月) 15億4500 1900 77.1 非公開
第4四半期(7月~9月) 17億1500 4400 78.7 33.6
2004 第1四半期(10月~12月) 20億600 6300 82.9 73.3
第2四半期(1月~3月) 19億900 4600 74.9 80.7
第3四半期(4月~6月) 20億1400 6100 87.6 86
第4四半期(7月~9月) 23億5000 1億600 83.6 201.6
2005 第1四半期(10月~12月) 34億9000 2億9500 104.6 458
第2四半期(1月~3月) 32億4000 2億9000 107 531.1
第3四半期(4月~6月) 35億2000 3億2000 118.2 615.5
第4四半期(7月~9月) 36億8000 4億3000 123.6 645.1
2006 第1四半期 (10月~12月) 57億5000 5億6500 125.4 1404.3
第2四半期(1月~3月) 43億6000 4億1000 111.2 852.6

特に爆発的に伸びたのが、2004年第1四半期(10月~12月)以降だ。10月~12月はクリスマス商戦がからむ時期で、他の四半期に比べて売り上げが伸びやすい傾向にあるが、それでも2004年と2005年の第1四半期を比べると、売上高が74%、純利益が368%と、ともにここ3年の中で最高の伸び率を見せた。その後の第2~4四半期(1月~9月)も同じ水準の売上高/純利益をキープしつつけ、2006年第1四半期にアップル史上最高となる57億5000万ドルの売上高/5億6500万ドルの純利益を記録している。

2004年の10月~12月といえば、空前のiPodブームが起こった時期。日本国内でもiPod miniの人気が高まり、在庫が極端に少なくなったことを覚えている人もいるだろう。MacとiPodの出荷台数を見ると、このアップルの好景気は一般に言われているようにiPodが牽引したことが顕著にわかる。当四半期と2年前の同期(2004年第2四半期)を比べると、iPodは957%と驚異的に出荷台数を伸ばしている。一方、MacはiPodほど急激ではないものの48%増加した。

iPodグラフ
iPodの出荷台数の推移と、アップルから発表された主要なiPod関連の製品/サービス

日本ではMacが売れていないのか!?

米アップルのリリースには、セグメント別の売上高とMacの出荷台数が記載された資料(“Data Summary”)も用意されている。どの部門が売り上げを伸ばしているのかを調べるために、こちらも過去3年分をまとめてみたが、グラフを見ると売上高/Mac出荷台数とも日本はそれほど大きな変化がないことがわかる。

売上高
部門別の売上高と純利益の推移
Macグラフ
部門別のMacの出荷台数の推移と、アップルから発表された主要なMacの本体/OS

これを構成比に置き換えて見てみよう。ちょうど2年前(2004年第2四半期)の売上高では、北南米が44.3%、欧州が22.6%、日本が8.7%、リテールが13.3%だったが、当四半期は北南米が48.7%(4.4%増)、欧州が22.2%(0.4%減)、日本が7.1%(1.6%減)、リテールが14.6%(1.3%増)とやや日本が落としている。

同じタイミングをMacの出荷台数ベースで比べてみると、2004年第2四半期では北南米が48.2%、欧州が25%、日本が10.1%、リテールが9.3%だった構成比が、2006年第2四半期では北南米が49.4%(1.2%増)、欧州が28.4%(3.4%増)、日本が7.4%(2.7%減)、リテールが13.8%(4.5%増)と、売上高と似た傾向だ。

日本が構成比を落としたのは一時的な現象ではない。2004年の第3四半期(4月~6月)までは売上高/Macの出荷台数ともに8~10%台をキープしていたが、その後6~7%台で安定している。ただし、Mac miniが初めて登場し、日本国内で大ヒットした2005年第1四半期のみ、売上高は8.8%、Macの出荷台数は9.5%と回復した。


リテール部門が着実に成長

とはいえ、日本でMacが売れなくなっていると思い込むのは早いだろう。日本が若干割合を落としたひとつの可能性として考えられるのは、リテール部門の成長だ。アップルの資料におけるリテール部門とは、日本を含む各国に存在する直営店/オンラインストアを指している。

直営店は2001年に米国で始まり、現在、米国では127店舗を展開するにまで至った。日本では2003年11月の東京・銀座店が世界で73番目の直営店としてオープンしたのを皮切りに、大阪、愛知、東京(渋谷)、仙台、福岡と5都市6カ所に整備されている。ちなみに米国と日本以外で直営店を有する国は、英国(4店舗)とカナダ(1店舗)のみだ。

リテールの売上高における構成比は、2004年の第3四半期(4月~6月)まで9~13%台だったが、その後15~18%台にアップした。また、Macの出荷台数も2004年の第3四半期まで5~9%台だったが、その後11~16%台に割合を増やしている。直営店の数が増えて販売チャネルが広がり、iPod人気が後押しして認知度が高まったことなどが影響して、売上高/Macの出荷台数ともにリテール部門の割合が増したのではなかろうか。

特に日本における直営店の存在は大きい。直営店の名物といえば、新聞やテレビでも取り上げられた数千人レベルの“長蛇の列”。店舗の新規オープン時はもちろん、iPodやTigerといった新製品が発売される場合にも“お祭り”に参加するために行列ができる。また、一般販売店にまだ出回っていない段階で、新製品が真っ先に直営店に登場するといったことも珍しくない。日本において、直営店は着実にMacユーザーに受け入れられているだろう。

こうした日本における直営店の定着は、リテール部門の構成比を押し上げるのに少なからず貢献しているだろう。ここ3年ほとんど変わっていないように見える日本のMac出荷台数だが、直営店のぶんを考慮すれば、実は世界の流れに合わせて堅調に伸びているものと思われる。



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