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松下とスクウェア・エニックス、デジタル家電におけるコンテンツ開発/利用環境の共同構築を発表

2006年04月08日 18時49分更新

文● 編集部 広田稔

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松下電器産業(株)と(株)スクウェア・エニックスは7日、東京・品川の新高輪プリンスホテルにプレス関係者を集め、デジタル家電におけるコンテンツの開発/利用環境を共同構築していくことに合意したことを発表した。

2007年3月までに、スクウェア・エニックスのミドルウェア“SEAD Engine”(シード エンジン)を、松下のデジタル家電統合プラットフォーム“UniPhier”(ユニフィエ)に組み込み、異なるデジタル家電上で互換性のあるコンテンツを扱う技術/ノウハウを両社で構築。デジタル家電メーカーやコンテンツプロバイダーに提供してコンテンツの拡大化を目指す。

ロードマップ
統合プラットフォームを共同開発しデジタル家電メーカーやコンテンツプロバイダーに提供する開発ロードマップ。2006年下期以降に開発環境が提供される見込み

SEAD Engine(Square Enix Application on Demand Engine)は、スクウェア・エニックスの子会社である米UIエボリューション(UIEvolution)社が開発するミドルウェア『UIEngine』をベースをベースに、グラフィックやサウンド、非同期通信などのソフトを統合したもの。

SEAD Engine
“SEAD Engine”の解説

一方、UniPhier(Universal Platform for High-quality Image Enhancing Revolution)は、システムLSIと組み込みソフトにより構成された統合プラットフォーム。松下電器が2004年9月にコンセプトが発表され、2005年10月以降、3月に発表された薄型大画面テレビ“VIERA”シリーズ、SDカードにビデオを記録するデジタルビデオカメラ『SDR-S100』、DVDカムコーダー『VDR-D250』『VDR-D300』、ワンセグ視聴に対応した携帯電話機『FOMA 901iTV』といった製品に採用されている。

UniPhier
“UniPhier”の解説システムLSI上に3Dグラフィックエンジンを含む

今後はUniPhierの組み込みソフト部分内にあるミドルウェアにSEAD Engineが提供され、両社共同で実装に取り組む。加えてスクウェア・エニックス側からは、3Dグラフィックス技術も提供される。

UniPhierとSEAD Engine
UniPhierとSEAD Engineの関係

発表会には松下電器から代表取締役副社長の小池 進(こいけすすむ)氏、スクウェア・エニックスから代表取締役社長の和田洋一(わだよういち)氏が出席し、合意に至った背景などを語った。

握手
左が松下電器産業、代表取締役副社長の小池 進氏、右がスクウェア・エニックス、代表取締役社長の和田洋一氏

小池氏によればUniPhierのコンセプトは、DVD&HDDレコーダー、携帯電話、デジタルビデオカメラ、カーAVといったデジタル家電における「商品分野間の技術の壁を打破」して、「ユビキタスネットワーク社会を拓く」というもの。小池氏は、UniPhierを利用することで、異なる今まで機器ごとの異なるプラットフォームで開発していたコンテンツを使い回せるようになり、「開発効率が向上して、シームレスにコンテンツを楽しめるようになる」とコメントしている。

プラットフォーム
プラットフォームの統合でシームレスなコンテンツ利用を目指す

また和田氏は、「お客様からのコンテンツに対するアクセスが多様化している。今までゲームが動く端末を増やしてきたが、いちばん最後に残っているのがデジタル家電のマーケット」と現状認識を語った上で「ゲームのようなインタラクティブなコンテンツをいろいろな端末に対して提供する場合は、個別にコーディングしていくといった作業が必要になるが、コンテンツをひとつ作ってから各端末に移植していくとなると莫大なコストがかかってしまう」と指摘。

和田氏は、SEAD Engineの導入や松下電器との協業に取り組むことで、こうした問題を解決して「非常に容易にコンテンツプロバイダーがコンテンツを提供できるようになる」と将来の可能性について触れた。

SEAD Engineにより多様なデジタル家電へのコンテンツ同時提供を実現する

ただし、今回の合意で具体的に何のコンテンツが提供されるのかということについては明言化されなかった。小池氏は「“Viiv”などパソコンの側からコンテンツの扱いについてアプローチはあるが、デジタル家電の側からどういうアプローチをするかということが具体的に発表されていなかった。今回の合意でデジタル家電の可能性を提案することで、テレビなどの機能アップにしてもひとつのヒントにつながるのでは」と発言。

また、和田氏はコンテンツプロバイダーとしての立場から「今までデジタル家電向けのコンテンツはコストがかかるため、コンテンツプロバイダーから避けられてきた」と状況を解説し、統合プラットフォームとその開発環境を提案することで「コンテンツを移植するという選択肢が生まれる。この合意でどう変わるのかと考えてくれる人たちが増えるのが大切」と、あくまできっかけであることを強調した。

和田氏は会場で放映された3Dアニメーションのデモンストレーションについて、「現状、世に出ているシステムLSIで3Dアニメーションをきちんと再現できる表現力を持っているというテクニカルなデモ」と解説した
会場ではプロトタイプのSEAD Engineを使ったGUIのデモも展示された


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