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SIIナノテクノロジー、Carl Zeiss NTSとの戦略的業務提携の合意を発表――両社の技術を融合した共同製品の開発も行なう

2006年03月16日 16時44分更新

文● 編集部 小西利明

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SIIナノテク 代表取締役社長の船本宏幸氏(左)と、SII 代表取締役社長の茶山幸彦氏(右) Carl Zeiss NTS 社長のディルク・ステーンカンプ氏
SIIナノテク 代表取締役社長の船本宏幸氏(左)と、SII 代表取締役社長の茶山幸彦氏(右)Carl Zeiss NTS 社長のディルク・ステーンカンプ氏

セイコーインスツル(株)(以下SII)の子会社であるエスアイアイ・ナノテクノロジー(株)(以下SIIナノテク)は16日、独カールツァイスグループのCarl Zeiss NTS社(以下CZ NTS)との間に、電子ビーム装置や集束イオンビーム装置に関連する事業分野について、全世界的な業務提携に合意したと発表した。両社の技術を融合した検査・解析装置の共同開発を行なうほか、CZ NTSの電子顕微鏡製品の日本を含む東アジアでの販売とサポートをSIIナノテクが担当する。

SIIナノテクはSIIグループの中で、電子顕微鏡や集束イオンビーム装置など、分析・検査機器の開発と製造、販売を行なう会社である。一方のCZ NTSはカールツァイスグループの中で、半導体技術を担当分野とする独Carl Zeiss SMT社の傘下にある“Nano Technology Division”に属し、SIIナノテクと同様な検査・解析装置製品の開発製造を手がけている。今回の業務提携のポイントは以下の3点にあるが、特にSIIナノテクが有する集束イオンビーム(FIB、Focused Ion Beam)装置関連技術と、カールツァイスグループが得意とする走査型電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)関連技術を融合し、1システムでFIBとSEMの機能を有する“FIB-SEM複合システム”の開発を共同で行なうとしている。

共同での製品開発と製造
SIIナノテクのFIB技術と、CZ NTSのSEM技術を融合した製品の共同開発と製造。
SIIナノテクによる、CZ NTS製品の日本・東アジアでの販売とサポート
CZ NTSの電子顕微鏡製品や消耗品、アクセサリーなど関連製品を、SIIナノテクが日本および東アジアで販売とサポートを行なう。
CZ NTSによるSIIナノテク製品の欧米での販売とサポート
SIIナノテクのFIB装置や蛍光X線分析装置、および関連製品を、CZ NTSが欧米地域にて販売とサポートを行なう。

SIIおよびSIIナノテクの沿革について述べたSII 代表取締役社長の茶山幸彦氏は両社の提携について、「今後は2つの企業グループでコミュニケーションを密に、日本語で言えば以心伝心、あるいは阿吽の呼吸でコミュニケーションを図りつつ、お互いに発展していきたい」と、提携による効果に期待を述べた。

SIIナノテクのコア技術である“集束イオンビーム”は、1種類のビームのパワーを調整することで、3とおりの用途に使用できるという
SIIナノテクのコア技術である“集束イオンビーム”は、1種類のビームのパワーを調整することで、3とおりの用途に使用できるという

SIIナノテク 代表取締役社長の船本宏幸氏は同社のコア技術であるFIB装置について、1つのビームで走査型イオン顕微鏡の機能と、デポジション(表面付加)やエッチングなどμm~nm精度での加工機能など、複数の用途に利用できる利点などを挙げた。応用分野としてはLSIの配線変更やフォトマスクの修正、ナノサイズの立体加工技術などが挙げられている。これにCZ NTSの電子顕微鏡技術を組み合わせた複合機能を有するシステムを、両社で協力しながら開発を進めていく。2005年時点でのSIIナノテクの市場別売上比率では、半導体・電子デバイス関連市場が約45%の割合を占めているところを、2008年には65%程度まで拡大したいという展望を示した。

SIIナノテクのFIB技術と、カールツァイスグループの電子顕微鏡分野のノウハウを結集し、両機能を備えるFIB-SEM融合システムの共同開発を目指す  
SIIナノテクのFIB技術と、カールツァイスグループの電子顕微鏡分野のノウハウを結集し、両機能を備えるFIB-SEM融合システムの共同開発を目指す提携により、SIIナノテクでは半導体製造企業向けの売上比率を、現在の45%から2年後には65%まで拡大させることを目標としている

またCZ NTS社長(マージングディレクター)のディルク・ステーンカンプ(Dirk Stenkamp)氏は今回の提携により、FIB装置や共同開発製品でCZ NTSにとっては新しい市場である半導体製造装置分野にも進出できるとした。製品展開のスケジュールについては、今秋頃に研究機関市場向けに製品を拡充するほか、ほぼ同じタイミングで半導体製造装置分野への製品も提供するとしている。そして提携効果により2010年には売上を倍増、提携事業の売上占有率25%を目指すとしている。

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