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【3GSM World Congress 2006 Vol.1】ノキアがUMA対応携帯、ソニエリがPDA型のウォークマン携帯を発表

2006年02月14日 21時14分更新

文● 安藤 怜

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世界各国の移動体通信関連企業が出展する展示会“3GSM World Congress 2006”が、スペインのバルセロナで13日から16日(現地時間)まで開催されている。昨年まで3GSMはフランス・カンヌで開催されていたが、そこが手狭になったために、今年はスペイン・バルセロナのフィラ・デ・バルセロナ(Fira de Barcelona)に会場を移した。その効果か出展社は昨年度40%増の962社になり、来場者の見込みも20%増の5万人となっている。

会場のフィラ・デ・バルセロナ(Fira de Barcelona) フィラ・デ・バルセロナの入り口。好天に恵まれた
会場のフィラ・デ・バルセロナ(Fira de Barcelona)フィラ・デ・バルセロナの入り口。好天に恵まれた


ノキアがUMA対応の携帯電話『Nokia 6136』を発売

13日には、フィンランド ノキア社のCEOであるヨルマ・オリラ(Jorma Ollila)氏が、プレスカンファレンスを行なった。オリラ氏はノキアがすでに15機種のW-CDMA対応携帯電話機を発売していることを挙げて、「2006年には、W-CDMA対応の携帯電話機が全世界で1億台販売されるが、そのうち4000万台はノキアの製品が占めるだろう」との見通しを示した。

ノキアのヨルマ・オリラCEO
ノキアのヨルマ・オリラCEO
UMA(Unlicenced Mobile Access)の仕組みを示した図
UMA(Unlicenced Mobile Access)の仕組みを示した図。屋外では、GSMネットワークを介した携帯電話機として使用する。屋内では、無線LAN(802.11b/g)を介するUMAによってIP電話として使用できる

またノキアは、無線LAN(IEEE 802.11b/g)によるUMA(Unlicenced Mobile Access)という通信技術に対応した折り畳み式携帯電話機『Nokia 6136』を発表した。この携帯電話機は、屋外ではGSMネットワークを介した携帯電話機として、屋内では無線LAN(802.11b/g)を介するUMAによってIP電話として使うことができ、固定電話と携帯電話を融合させるFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを利用できる。

このUMAの技術を利用したFMCサービスは、すでに英BTグループが無線LANではなくBluetoothを使って実用化している(サービス名は“Bt Fusion”でインタビュー記事はこちら)。BT Fusionは、現在無線LANへの対応も検討している。しかし、ノキア シニア・コミュニケーション・マネージャーのドウ・ドーソン(Dou Dawson)氏によると、ノキアが英BTに『Nokia 6136』を提供するかについてはコメントできないが、英BTを含めて複数の固定電話や移動電話のキャリアーと交渉中という。

『Nokia 6136』はEDGE/GSM(850/900/1800/1900MHz)にも対応し、ユーザーインターフェースとしてノキアの“Series 40”を採用する。折り畳み時のサイズは幅46×奥行き90×高さ23.6mmで重さは98g。発売は2006年第2四半期を予定しており、価格は275ユーロ(3万8000円)を見込んでいる。

『Nokia 6136』 ノキア シニア・コミュニケーション・マネージャーのドウ・ドーソン氏
『Nokia 6136』ノキア シニア・コミュニケーション・マネージャーのドウ・ドーソン氏


英ソニー・エリクソンが、PDA型のウォークマン携帯電話『W950』を発表

英ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(Sony Ericsson Mobile Communications)社は、通常のプレス・カンファレンスとは異なり、バルセロナ市内のグラン・ビア・デ・ル・コーツ・カタランズ(Gran via de les Corts Catalanes)というバーを借り切って、夜9時開始のパーティー形式で新製品の発表を行なった。

英ソニー・エリクソン社長のマイルズ・フリント(Miles Flint)氏。右手には、“ウォークマン携帯電話”の6つめのモデルとなる『W950』 英ソニー・エリクソンが、女子テニスの団体であるWTAのスポンサーとなっている関係で、ベルギーのジュスティン・エナン=アーデンがゲストとして招かれた
英ソニー・エリクソン社長のマイルズ・フリント(Miles Flint)氏。右手には、“ウォークマンケータイ”の6つめのモデルとなる『W950』英ソニー・エリクソンが、女子テニスの団体であるWTA(Woman Tennis Association)のスポンサーとなっている関係で、ベルギーのジュスティン・エナン=アーデン(Justine Henin-Hardenne)選手がゲストとして招かれた

マイルズ・フリント社長は、“ウォークマンケータイ”の6つめのモデルとなるW-CDMAに対応したPDA型の『W950』を発表した。フリント氏は、「ウォークマンケータイの累計販売台数は300万台を超えており、携帯電話機で音楽を聴くことはすでに、ユーザーにも定着している」と語った。

『W950』は、OSにはSymbian OS 9.1を、ユーザーインターフェースにはUIQ 3.0を採用している。音楽ファイルは、MP3/AAC/AACplusなどに対応。メモリースティックマイクロ(最大4GB)に対応し、最大で4000曲の楽曲を録音できる。

通信方式は、W-CDMAとGSM(900/1800/1900MHz)に対応。ディスプレーとして、2.6インチTFT液晶パネル(240×320ドット、26万2144色表示)を搭載。タッチスクリーン方式のためスタイラスでもアプリケーションの操作が行なえる。本体サイズは幅54×奥行き106×高さ15mmで、重さは112g。発売は2006年第3四半期の予定で、価格は未定。

W-CDMAに対応したPDA型のウォークマン携帯電話『W950』 シニア・バイス・プレジテントの坂口立考(さかぐち りっこう)氏
W-CDMAに対応したPDA型のウォークマン携帯電話『W950』シニア・バイス・プレジテントの坂口立考(さかぐち りっこう)氏

英ソニー・エリクソンとしては、Symabin OS 9.1とUIQ3.0を採用したスマートフォンは、昨年10月に発表した『P990』、今年2月6日に発表した『M600』に続き、『W950』が3機種目となる。シニア・バイス・プレジテントの坂口立考(さかぐち りっこう)氏は、「『M600』と『W950』は、デジタルカメラや無線LANを搭載しているビジネスユーザー向けの『P990』とは別の、より一般ユーザー向けの製品として位置づけられる」という。

また坂口氏は『W950』について、「ウェブブラウザーのOpera 8を搭載しているため、音楽を聴いていて『いいな』と思う歌手についてインターネットで調べたり、その歌手の別の曲をインターネット経由で購入できるようにしたい」と語った。

『M600』は、1つのキーの両端に2つの英文字が割り当てられている“デュアルファンクションキー”が特徴。これ以外の仕様はほぼ『W950』と同じ。発売は2006年第3四半期の予定で、価格は未定。

“デュアルファンクションキー”が特徴の『M600』。1つのキーの両端に、2つの英文字が割り当てられている。配列はQWERTY 色は、クリスタルホワイトとグラニットブラックの2タイプがある
“デュアルファンクションキー”が特徴の『M600』。1つのキーの両端に、2つの英文字が割り当てられている。配列はQWERTY色は、クリスタルホワイトとグラニットブラックの2タイプがある

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