Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ
Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ
2006年01月20日 15時47分更新
■スリムコンパクトでの広角という快適さ
実機を手に町を歩いて撮影してみると、23mmという画角の広さが実に心地いい。UWレンズはパンフォーカスなので、ズームレンズでしっかりピントを合わせた画像と比較するとやや甘い印象を受けるものの、周辺部の画像の流れや減光も目立たなくて十分な描写力だ。ノイズリダクション機能が弱めなので、画像を拡大するとややざらついた印象にはなるものの、同社ならではの鮮やかで濃い発色は街中のスナップを記録していても心地よい。やや不便に感じた点は、ズームレンズの広角側が39mm相当とデジタルカメラの中でもかなり広角に弱いため、風景やポートレートなどで多用する35mm前後の焦点距離を求める際にはパンフォーカスのUWレンズデジタルズームを使うしか選択肢がないことくらいか。
480×640ドットにリサイズ | 中央部分を切り抜き | |
撮影サンプル1。UWレンズにて撮影。超広角ならではの迫力ある画像が楽しめる。プログラムオート(ISO 64、F2.8、1/100秒、以上はExif値より)。元画像は2567×1932ドットで、PhotoshopでVGAサイズ(640×480ドット)にトリミングおよびリサイズを行なったほかは、画像処理をかけていない。 |
480×640ドットにリサイズ | 中央部分を切り抜き | |
撮影サンプル2。サンプル1と同じ位置からズームレンズ広角側で撮影。全体を収めるにはかなり下がらなくてはならないが、細部のシャープさはUWレンズに比べてはっきりしている。プログラムオート(ISO 64、F3.9、1/50秒)。 |
デュアルレンズ&デュアルCCDというユニークな機構と、23mmの広角レンズが最大の特徴である本機だが、なによりの利点はそれらの独自機構を備えつつもほかのコンパクトデジタルカメラ(=シングルレンズ&シングルCCD)と遜色のないサイズや重量に収まっており、欠点らしい欠点がほとんど見当たらないことだろう。確かにUWレンズがパンフォーカスである点に、中~上級者は物足りなさを感じるだろうが、これほどコンパクトで超広角撮影ができるカメラは他に類を見ない(せいぜい28mmクラスの本体にワイドコンバージョンレンズを装着するしかない)。
480×640ドットにリサイズ | 中央部分を切り抜き | |
撮影サンプル3。UWレンズで撮影(プログラムオート、ISO 64、F5.6、1/400秒)。こってりとした濃い色あいはKodakならではの絵作りだ。拡大するとややノイジーなのが分かる。 |
もちろんV570の広角撮影機能は中~上級者が絵作りに使うだけでなく、入門者にも後ろが窮屈な場所での集合写真や景勝地での記念写真など、広角を求めるケースは案外多いものだ。広角から望遠まで“普通のズーム感覚で”使えるコンパクト機であるということはV570の大きな魅力だ。これを機会に広角レンズの重要性が一般ユーザーにも広まり、とかく広角撮影の重要性が見落とされがちなデジタルカメラ市場に一石を投じる1台となってほしい製品である。
Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラの主なスペック | |
製品名 | Kodak EasyShare V570 デュアルレンズ デジタルカメラ |
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撮像素子 | 1/2.5インチ有効500万(総536万)画素CCD |
レンズ1(UW) | f=3.8mm(35mmフィルムカメラ換算23mm)、F2.8、パンフォーカス |
レンズ2(ズーム) | 光学3倍ズーム、f=6.4~19.2(39~117mm)、F3.9~4.4 |
記録画素数 | 最大2567×1932ドット、JPEG形式 |
動画記録 | 最大640×480ドット/30fps、MPEG-4 |
液晶ディスプレー | 2.5インチハイブリッド型(23万画素) |
記録メディア | SDカード/内蔵32MBメモリ(画像保存領域:28MB) |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
インターフェース | ドックコネクター(付属“フォトフレームドック2”にUSB端子)、DC入力 |
本体サイズ | 幅101×奥行き20.4×高さ49.8mm |
重さ | 約125g(本体のみ) |