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日立製作所、シンクライアント事業を強化、2005年度の目標も200億円・5万台に上方修正

2005年12月08日 16時32分更新

文● 編集部 小林久

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(株)日立製作所は8日、都内で記者会見を開き、モバイルパソコンからの情報漏えいを防ぐ、“セキュアクライアントソリューション”の事業強化に関して説明した。

“セキュアクライアント”システムは、HDDを取り外したノートパソコン“セキュリティPC”を使ったシンクライアントシステム。データの取り扱いは企業のデータセンター内に置かれた仮想マシンやブレードサーバー(クライアントブレード)内で行なわれるため、ノートパソコンの紛失や盗難時でも重要な情報を失ったり、他者に流出する危険性がないのが特徴。



2005年度の目標を200億円・5万台に上方修正

会見に出席した日立製作所執行役副社長で情報・通信グループ長&CEOの古川一夫(ふるかわ かずお)氏は、国内のシンクライアントの状況に関して「2010年までに60万台の需要がある」と、(株)富士キメラ総研のレポートに沿って説明した。同社は今年2月にセキュアクライアントシステムのリリースを行ない、当初の事業目標として「2005年度に100億円・3万台」を掲げていた。古川氏は会見で「(シンクライアント事業は)非常に勢いがあり、目標をより高く設定することにした」と述べ、当初のほぼ倍となる「200億円・5万台」に上方修正を行なうことを表明した。

副社長の古川一夫氏
日立製作所 執行役副社長 情報・通信グループ長&CEOの古川一夫氏

日立製作所では2005年12月までにセキュリティPCとクライアントブレードを各1万台ずつ導入済み。実際に稼動させながらソリューションの改善を行なっている。特に8月から導入した同社大森オフィス(外回りが多い営業・SE職160名が対象)では、オフィスをフリーアドレス化し、職場では空いた席に内線用のIPフォンやパソコンを持ち込んで作業する形態にした。座席の数を減らし、残りを会議室など共用スペースにすることで、フロアスペース効率が30%向上、共通スペースも倍増した。また、紙の書類を電子化することで顧客対応時間で30%、見積もり提案時間が50%向上させることができたという。同社では12月までに対象者を1500名に増やし、さらなる効率アップを目指す。

プラットフォームソリューション事業部長の松縄正人氏
同プラットフォームソリューション事業部長 松縄正人氏。セキュリティーの観点はもちろんのこと、開発環境の統一などにもメリットがあるとした

古川氏は「日立自身の経験を生かして、業界のトップランナーを目指していきたい」とし、中期的な目標として「30%のシェアをきっちり確保していきたい」と述べた。



動的割当で、ブレード数を最小限に抑えることも可能に

セキュアクライアントシステムの構築方法には、社内に置かれたパソコンに接続する“ポイント・ポイント”型、データセンター内に置かれた仮想マシンを複数のユーザーで共有する“センター型”、クライアントマシンに対して、ブレードサーバー(FLORA bd100)の各ユニットをひとつずつ割り当てる“ポイントブレード型”の3種類があるが、会見ではポイントブレード型のソリューションの強化策に関しても発表された。

FLORA bd100
FLORA bd100。上に置かれている1ユニットで、サーバーとしての基本的な機能が提供される

クライアントブレードとセキュリティPCとの間の接続方法は、これまで“静的割当”のみに対応しており、クライアントブレードとセキュリティPCを同数用意する必要があったが、今回発表された保守・運用管理機能強化用ソフトウェア『ブレードPCコントロール for FLORA bd100』を導入することにより、クライアントからの接続要求があった際に自動的に空いているブレードを割り当てる“動的割当”や、普段接続しているブレードが故障した際に予備のブレードに接続する“代替機自動割当”にも対応するようになった。また、従来イントラネットでのみ対応していた、クライアントからのブレードの電源管理(再起動)も、インターネット経由で行なえるようになっている。

KeyMobile 静脈認証対応ノート
KeyMobile11月に発表された静脈認証対応ノートも展示されていた

また、FLORA bd100にアクセス可能なクライアントマシンには、専用のセキュリティPCのほか、Windows XP Professionalをインストールしたパソコンも利用できるようになった。利用には簡易導入モデル用ソフトウェア『既存PC活用ソフトウェアパッケージ』をインストールし、認証デバイスの『KeyMobile』を接続する(パソコン上のデータはFLORA bd100にコピーされ、HDD上にはデータを記録できない)。すでに企業導入されているWindowsマシンを流用することで、ハードウェアの初期投資を抑えてセキュアクライアントシステムに移行できる。

電話機 電話ソフト
IPフォンと組み合わせることで、どこにいても同じ番号で内線を利用することができる。電話帳との連携など、パソコンを使う利便性もある

このほか、日立製作所の提供するサーバーセンターを利用することで、VPNなどのリモートアクセス環境を個別に構築せずにすむ“フィー型モデル”(月額料金制、料金非公開)、日立キャピタル(株)による、セキュリティPCやFLORA bd100のレンタルサービス(料金は個別見積もり)なども開始。導入費用の低減のほか、短期間の利用などにもフレキシブルに対応していくという。

ソフトウェアの価格は、ブレードPCコントロール for FLORA bd100が31万5000円、既存PC活用ソフトウェアパッケージが3万240円(導入時に必要となるシステム構築費などは含まない)。28日の出荷を予定している。

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