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英国大使館、英国のブロードバンドとモバイルサービスの現状を説明するセミナーを開催

2005年12月05日 23時40分更新

文● 編集部 小林久

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英国大使館は5日、英国を代表する通信関連企業のトップや英国放送協会(BBC)の幹部、モバイル通信分野の研究者などが参加している“グローバル・ウォッチ調査団”のメンバーをスピーカーに招いたセミナーを開催した。普及が加速する英国のブロードバンド事情や、インターネットを利用したテレビ放送サービスの今後、モバイル・マルチメディア・ネットワーに関する政府・民間・大学の協力体制などをテーマに6つのプレゼンテーションが行なわれた。

フィリップ・グラフ氏 マイク・ショート氏
ブロードバンドの現状に関して紹介した英国インテレクト社ディレクターで、調査団のリーダーを務めるアントニー・ウォーカー氏モバイルの現状に関して説明した英国モバイル・データ協会会長のマイク・ショート氏

英国では2005年第2四半期にダイヤルアップ回線とADSLなどのブロードバンド回線の比率が逆転。2003年の220万に対して、2005年には890万のブロードバンド回線が利用されるようになったという。同時に料金も下がり、1Mbps以上の速度でも月額32ポンド(約6720円)程度。ユーザーの関心も料金の安さではなく、付加価値のほうに移っている現状があるという。今後伸びそうなものとしては放送があり、観たいときに観たい番組をダウンロードできる“ビデオオンデマンド”の分野に対する期待が大きいようだ。高品質な動画をダウンロードするために必要な8Mbps程度の回線速度を“ADSL2+”(下り最大22Mbps)などの技術を利用して、各家庭でどのように確保していくかが今後の課題となる。

次世代携帯電話機のロードマップ
次世代携帯電話サービスのロードマップ

モバイルでは、2.5Gから3GやWi-Fiといった技術への以降が進みつつあるのが現状で、2006年から2007年にかけては3.5Gなどとも呼ばれる高速パケット技術“HSDPA”(High Speed Downlink Packet Access)の普及も進んでいく見込み。HSDPAでは3Gの5倍以上の速度での通信が行なえると言われており、こちらでもテレビコンテンツが大きなテーマとなってきそうだ。

再生画面 番組表
catch-up TVのデモ画面。右が再生画面、左が番組表

英国ではBBCが提供するオンデマンド放送サービス“catch-up TV”が現在試験中で、インターネットを経由して配信された番組表を使いパソコンで番組をダウンロードし、それを携帯電話機などに転送して視聴することが可能。

セミナーでは、モバイル・データ協会会長のマイク・ショート(Mike Short)氏が「スマートホンなどを利用した“モバイルテレビ”の市場に対して英国人の56%が関心を示しており、試用サービスを利用したあとは41%が有料でも喜んでモバイルテレビのサービスを利用し、毎日20分程度の視聴を行なうといういくつかの調査機関がまとめたデータ」を示した。同氏によると、英国ではHDSPAと歩調を合わせる形で2006年から2007年ごろの商用サービス開始を目指しているという。

ステラ・クリーシィー氏
BBCニューメディア視聴リサーチ部 部長のステラ・クリーシィー氏

発表会に出席したBBCニューメディア視聴リサーチ部 部長のステラ・クリーシィー(Stella Creasey)氏は、Amazonの売り上げのうち1/3は“Long Tail”(市場の尻尾にあたる小さなニッチ市場も数多く集まれば既存の巨大市場に勝ることにもなるというマーケティング用語)ことなどにも触れながら、オンデマンド配信が、既存の放送コンテンツのビジネスモデルや市場を変化させるだろうという予測を示した。

国内ではネット企業と放送局の対立が話題になることが多い。もちろん英国でも、著作権者との間の調整に難航する側面はあるようだ。たとえばスポーツ放送などはその一例である。しかしながら、保守的な日本の状況とは対照的に、放送局サイドが新しい技術や新しい放送形態に対して、非常に積極的なアプローチを取っている点は印象的だった。

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