HDVキャプチャーに対応した『Avid Xpress Pro HD 5.2』によるHDビデオ編集のデモ |
アビッド テクノロジー(株)は12日、都内にて同社のノンリニアビデオ編集ソフト“Avid Xpress Pro HD”シリーズについてのセミナーを開催し、同シリーズの最新版『Avid Xpress Pro HD 5.2』でHDV方式で記録されたビデオ映像のキャプチャーに対応することを発表した。Windows XP版のみで、10月末のリリース予定となっている。
HDV方式とは、一般的なミニDVテープに1080iまたは720pのハイビジョン映像を記録する規格。プロユースの映像撮影・編集機材で利用されているほか、民生用のDVビデオカメラやパソコン用ノンリニアビデオ編集ソフトでも対応する製品が続々と登場しており、デジタルTVの普及にともない、急速に注目を集めている規格である。Xpress Pro HDシリーズはDVCPRO HDや同社独自のDNxHDなどのハイビジョン品質の映像フォーマットに対応していたが、新しいバージョンでHDVのサポートが加わったことにより、より幅広いハイビジョン映像素材を扱えることになった。
Xpress Pro HDが対応する素材と編集機能、出力先のイメージ図(同社のプレゼンテーション資料より引用) |
Xpress Pro HDでは異なるフォーマットのHD、SD映像素材を混在したビデオ映像を作成可能で、編集用にフォーマット変換したりすることなく、シームレスな編集が可能となっている。HDVビデオカメラからのキャプチャーのほか、MPEG-2 TS形式のビデオファイルのインポートも可能。編集した映像はHDVやDVCPRO HDなどのほか、WMV9やH.264などの映像フォーマット、Flashコンテンツなどで出力することもできる。ハイビジョン品質のフォーマットで書き出す場合は、映像の実時間の4倍ほどの処理時間がかかってしまうという。HDV関連の変更以外の機能は、既存のXpress Pro HD 5.1と同様である。
新バージョンのリリース時期は、10月末の予定。既存製品からのアップグレードについては、Xpress Pro HD 5.xからのアップグレードは無料(同社ウェブサイトにて配布)であるほか、『Avid Xpress Pro 4.x』からのアップグレードは6万900円、『Avid Xpress DV 4.x』からは19万9500円などとなっている(詳細は下記掲載の画像を参照)。対応OSはWindows XP Professional SP2のみ。対応CPUはPentium 4-1.6GHzまたはPentium M-1.8GHz以上、メモリー1.5GB以上となっている。なおMac OS版のリリースについては、将来のリリース予定はあるが現時点では未定となっている。
旧バージョンからのアップグレード費用一覧 |
同社では今後もビデオ編集製品のHDV対応を進め、ハイエンドビデオ編集システム“Avid Media Composer Adrenaline HD”や放送局向けシステム“Avid NewsCutter Adrenaline”などのHDV対応も行なう予定である。
同社製品のHDV対応アップデートの予定 |