使い勝手の良さが光る高画質320万画素CCDカメラ
デジタルカメラ機能として、W31CAはオートフォーカス対応の320万画素CCDセンサーを内蔵する。最大でQXGAサイズ(2048×1536ドット)の写真撮影が行なえるほか、QVGA(320×240ドット)での動画撮影が可能だ。撮影補助機能としては、フォーカスを合わせたまま構図を変えて撮影する“フォーカスロック”や、マクロ撮影機能、一般的な携帯電話よりも1.5倍ほど明るい撮影用ライトを搭載する。そのほか、人物や風景、暗めの屋内となるパーティや夜景など、撮影シーンに応じて露出などの設定を自動で変更する“ベストショット機能”(全9シーン)を搭載する。
【作例1-a】ベストショット“夜景”の作例。2048×1536ドットで撮影した画像を、Photoshopを使って640×480ドットにリサイズ | 【作例2-a】ベストショットの設定をせずに、作例1-aとほぼ同じ構図で撮影した作例。2048×1536ドットで撮影した画像を、Photoshopを使って640×480ドットにリサイズ |
【作例3】2048×1536ドットで撮影した画像を、Photoshopを使って640×480ドットにリサイズしたもの | 【作例4】2048×1536ドットで撮影した画像の一部を、640×480ドットで切り出したもの | |
ベストショット“食べ物”の作例。照明の雰囲気を残しつつ、マクロフォーカスで細部まで撮影できる |
【作例5】2048×1536ドットで撮影した画像を、Photoshopを使って640×480ドットにリサイズしたもの | 【作例6】2048×1536ドットで撮影した画像の一部を、640×480ドットで切り出したもの | |
ベストショット“風景”の作例。パンフォーカスの設定になる |
撮影スタイルは、開いた状態で縦に構えて撮影するか、前述のように折り畳んでデジタルカメラ風にした状態かのいずれかを選ぶ。デジタルカメラ機能の設定メニューは、画面を縦に使った一般的なレイアウトのほか、デジタルカメラ風スタイルに画面を横に向けた状態向けのレイアウトが用意されており、撮影の設定を変更するためにいちいち端末の向きを変える必要はない。
メインディスプレーを反転させデジカメ風の撮影にも対応。シャッター半押しでのフォーカスロックにも対応する | 端末を開いた状態での撮影では、撮影設定をワンボタンで変更できる。各キーに割当てられた機能設定を一覧で表示するガイドは、撮影中にも呼び出せる |
実際の撮影では、ほとんどのシーンで特別な設定をせずとも、ほぼイメージ通りの写真を撮ることができた。オートフォーカスの速度は高速で、少々暗い室内で撮影した場合にも液晶画面でのプレビューがもたつくことはなく、快適に撮影できると言える。撮影設定を変更する場合も、数字キーを押すだけですぐに設定できるため、シャッターチャンスを逃しにくい。
また撮影の用途に応じて、携帯電話の待ち受け画面やメール送信向けの設定に切り換わる“ケータイモード”と、パソコンでの利用や印刷向けの“PCモード”を用意。これらは発信キーを押すだけで切り替えられる。ケータイモードでは待ち受け画面のサイズであるQVGA(240×320ドット)など、PCモードではVGA(640×480ドット)からQXGA(2048×1536ドット)までの記録画素数をユーザーが設定できる。写真の使用用途に応じて撮影サイズを切り替えたいときに、いちいちサブメニューを開く必要がない点は非常に便利だ。
なお、記録可能な最大サイズであるQXGA(2048×1536ドット)での撮影に関しては、撮影してから保存まで約4秒程度かかる。同クラスの316万画素CCDカメラを搭載する「SH901iS」(NTTドコモ)が保存時間に約10秒程度かかるほか、200万画素クラスのカメラを搭載した端末でも5秒ほどかかる端末は多いだけに、携帯電話での保存速度としては速い部類といえるだろう。QXGAのFINEにて撮影した画像の容量は、1枚辺り1~1.4MBとなる。本体のデータフォルダは24MBと少ないため、多く撮影するなら別売りの128MBや256MBなど、大容量なminiSDメモリーカードを用意しておきたい。
気になった点は、充電器に端末を置いて付属のパソコンソフト「Mysync Suite」(後述)でQXGAサイズの写真を転送する際に、転送時間が1枚辺り約18秒ほどかかったことだ。従来機種「W21CA」や「W21CAII」の最大撮影サイズでもあるUXGAサイズの写真なら、1枚辺り10秒前後で転送できる。高精細な仕上がりの印刷を想定して高画素で撮影し、かつ撮影枚数が多い場合、例えば何かの記念日や旅行などの写真をパソコンに一度に転送する場合などは、転送時間が気になるだろう。