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日立、ストレージ群を仮想化管理するストレージシステム“SANRISE”シリーズに、ミッドレンジ向けの製品を発表

2005年07月12日 18時32分更新

文● 編集部 小西利明

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複数の外部ストレージを仮想化して管理する『SANRISE Network Stroage Controller NSC55』を搭載したシステム ミッドレンジ向けHDDアレイ『AMS200』と、ローコスト向けSATA HDDアレイ『WMS100』
複数の外部ストレージを仮想化して管理する『SANRISE Network Stroage Controller NSC55』を搭載したシステムミッドレンジ向けHDDアレイ『AMS200』と、ローコスト向けSATA HDDアレイ『WMS100』

(株)日立製作所は12日、ディスクアレイサブシステム“SANRISE”(サンライズ)シリーズの新製品として、ミッドレンジ~ローコスト向けのストレージコントローラーやディスクアレイなど4製品を、世界同時に販売を開始すると発表した。エンタープライズ向け製品で培われた仮想化ストレージ技術をミッドレンジクラスのシステムにも導入することで、ストレージ製品の競争力強化を図る。

日立製作所 情報・通信グループCOOの高橋直也氏
日立製作所 情報・通信グループCOOの高橋直也氏

製品説明会にて同社情報・通信グループCOOの高橋直也氏は、仮想化ストレージ技術が同社の強い技術であると切り出し、同社のストレージ製品の位置づけについて述べた。DLCM(Data Life Cycle Management)の思想と、顧客の持つデータの多様化(構造化/データベース化されたものから、メールや画像などの非構造化データへの変化)に対応すべく、同社ではストレージシステムをターゲットとする市場やニーズに合わせた“ティアド・ストレージ”の考えを打ち出し、Tier1(ティア1)に当たる大規模・高信頼性のエンタープライズシステムから、Tier2の中規模・高速のミッドレンジアレイ、Tier3に当たる低コストのニアラインアレイに分類。これらのシステムを同社の仮想化ストレージ技術で管理することで、管理運用の自動化や最適化、データ管理コストの削減を可能にするとしている。そのうえで、昨年9月に発表されたエンタープライズ向けの大型ディスクアレイサブシステム“SANRISE Universal Storage Platform(USP)”が「革新的な技術として世界に認知された」(高橋氏)として、SANRISE USPで実証された仮想化技術をミッドレンジ市場向けにも導入することで、競争力の強化とシェア拡大を目指すとした。



日立のDLCMソリューションの構成図。Tierごとに異なるストレージシステムを導入し、仮想化ストレージ技術を用いて統合管理する
日立のDLCMソリューションの構成図。Tierごとに異なるストレージシステムを導入し、仮想化ストレージ技術を用いて統合管理する

今回発表された製品は、ミッドレンジ向けの仮想化ストレージコントローラー/アレイと、ミッドレンジ向け、ニアライン/ローコスト向けのディスクアレイシステムである。

SANRISEシリーズの製品ラインナップ図。NEWの文字があるのが今回の新製品
SANRISEシリーズの製品ラインナップ図。NEWの文字があるのが今回の新製品
SANRISE Network Storage Controller NSC55
ストレージサブシステム郡を仮想化管理するコントローラー。16チャンネルのファイバチャネルポート搭載。サブシステム物理容量364GB~69TB
価格:4312万823円から/出荷時期:7月12日
SANRISE Adaptable Modular Storage(AMS) 500
ミッドレンジディスクアレイ。ファイバチャネル4ポート搭載。ファイバチャネルまたはSATA HDD対応。サブシステム物理容量216GB~86.9TB
価格:388万2900円から/出荷時期:7月12日
SANRISE AMS 200
ミッドレンジディスクアレイ。ファイバチャネル4ポート搭載。ファイバチャネルまたはSATA HDD対応。サブシステム物理容量216GB~39.7TB
価格:257万400円から/出荷時期:7月12日
SANRISE Workgroup Modular Storage(WMS) 100
ニアライン/ローコストディスクアレイ。ファイバチャネル4ポート搭載。SATA HDD対応。サブシステム物理容量750GB~41.3TB
価格:156万4500円から/出荷時期:8月末

新製品の中でも重要なのが、仮想化ストレージコントローラーアレイのNSC55である。SANRISE USPと同様の仮想化技術を搭載したコントローラーで、ミッドレンジクラスの外部ストレージをNSC55に接続することで、それらを仮想化ストレージとして1つのストレージイメージで管理できる。これにより、比較的安価なストレージシステムでも、エンタープライズ向け製品並みの耐障害性を備えられ、管理コストの低減も可能になるとしている。最大で16PBの外部ストレージを仮想化可能で、ネットワーク接続はファイバチャネル(最大48ポート)やEthernetに対応する。iSCSI接続などにも、今年第4四半期には対応可能になる予定とのこと。仮想化対象のストレージ製品は、今回発表の3製品のほかに、同社のエンタープライズ向けストレージ“SANRISE 9500V”、“SANRISE 9900V”シリーズ、さらに他社製のストレージ製品の接続も可能である。

NSC55と仮想化可能なストレージ製品 前掲写真のNSC55のハードウェア構成。ラック内にコントローラーとHDDを混在可能である
NSC55と仮想化可能なストレージ製品前掲写真のNSC55のハードウェア構成。ラック内にコントローラーとHDDを混在可能である

ストレージ製品のAMS 500、200シリーズは、ミッドレンジアレイとして企業のERPやCRM、ウェブ/メールサーバーなどの用途を想定されている。高速な4Gbpsファイバチャネルに対応したほか、RAID6にも対応する。一方ニアライン/ローコストアレイとされるWMS 100は、安価なシリアルATA(SATA) HDDを使用する分、パフォーマンスなどではAMS 200などに及ばないが、バックアップ/アーカイブ用ストレージとしての利用を想定している。

仮想化ストレージの管理用ソフトウェアとしては、同社製のストレージ管理ソフト“JP1/HiCommand”シリーズがすでに対応している。同ソフトを使用することで、エンタープライズ向けからニアライン向けまでを、統合して管理できるとしている。

また同社ではSANRISEシリーズ新製品の投入に合わせて、販売強化のための施策として、“SANRISE技術者資格認定制度”を設立することも発表した。SANRISEシリーズについての研修と資格認定を実施することで、販売店パートナーのスキル向上と、顧客からの認知度や信頼の向上を図るとしている。

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