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Socket939対応Athlon 64特集 Part.1

Socket939対応Athlon 64特集 Part.1

2005年07月11日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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性能と消費電力を計測
価格性能比は3000+が断然

 今回はAthlon 64のモデルナンバーごとの性能をベンチマークで計測した。今回の目的は解析ではなく実利用時の感覚のため、実在のアプリケーションをベースにしたものを中心に絞っている。結果はグラフに掲載したとおりだが、3000+から3800+まではモデルナンバーが300上がるごとにクロックが200MHz上がっているが、3800+と4000+は同クロックでL2キャッシュ容量が異なるだけである。この点の違いを意識して見てもらいたい。全体的に見ると、やはり4000+と3800+との性能差は、モデルナンバーで200あるかどうかは微妙で、150程度が妥当なところかもしれない。ちなみに、コアの違いによる性能差は見られなかったので掲載は割愛している。

 また、Athlon 64は消費電力の面からも注目されているため各作業時の消費電力もワットチェッカーで計測したので参考にしてほしい。やはりWinchesterコアの製品の優秀さが目立ち、特に負荷時の電力消費の少なさはすばらしい。また、Cool'n'Quietの効果も大きいことが分かる。Cool'n'Quietのオン/オフでパフォーマンスの差がつくかどうかも一通り試したが、グラフに掲載したようにほとんど変化はなかった。

テスト環境

マザーボード
ASUSTeK A8N-E
メモリー
PC3200 DIMM 512MB×2(3-3-3-8)
グラフィックスカード
Extreme N6600GT(128MB)
HDD
HGST Deskstar 7K80
光ドライブ
HL-DT-ST GSA-4163B
電源
ENERMAX EG-701AX-VE(700W)
OS
Windows XP Professional SP2
ドライバー
nForce Driver 6.53、ForceWare 71.81

ベンチマークテストの結果

●システム性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0の総合スコア。ファイル圧縮/解凍、暗号化/解読、ウイルススキャンなど、実際のコンピューティング環境をシミュレートするようなテストが含まれる。3800+まではグレードが上がるごとに8%強の性能アップを果たしているが、4000+でのL2キャッシュ増量の効果は薄い。

●エンコード性能(PCMark04 1.3.0)

PCMark04 1.3.0
PCMark04 1.3.0のSystem Test suitesから動画のエンコードに関する項目だけをピックアップして掲載している。クロック上昇の効果はどちらも10%弱と高いが、L2キャッシュの増量は、CPUの負荷が比較的軽いDivXのほうが、効果が大きく出ている。両方を総合すると4000+と3000+の差は30%弱。

●64bit画像処理(Panorama Factory v3.3)

Panorama Factory v3.3
OSにはWindows XP Professional x64 Edition RC2を利用。Smoky City Designの「Panorama Factory v3.3」の64bit版と32bit版でパノラマ画像作成にかかった時間を計測している。クロックの差が大きく反映するテストだが、32bitで4000+を使うよりも64bitで3000+を使ったほうが高速な点にも注目。

●消費電力

サンワサプライのワットチェッカーで計測した消費電力。3Dゲーム時はシーンにより大きく変動するため、DOOM3 v1.1でほぼピークに達する最後のバトルシーンでの値を掲載している。
アイドル時Webブラウズ時3Dゲーム時エンコード時
Athlon 64 4000+
(2.4GHz/L2 1MB
/CrawHammer)
112W127W203W181W
Athlon 64 3800+
(2.4GHz/L2 512KB
/NewCastle)
113W126W204W170W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/NewCastle)
110W124W197W167W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W104W171W129W
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB
/Winchester/C'n'Q)
86W93W161W128W
Athlon 64 3200+
(2GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W103W166W129W
Athlon 64 3000+
(1.8GHz/L2 512KB
/Winchester)
93W103W161W127W

●3Dゲーム性能

3Dゲーム性能
DOOM3 v1.1(SXGA/HIGH QUALITY/FSAAなし)と、大航海時代Onlineベンチマーク(XGA/32bit/フルスクリーン/最高グラフィック)でゲーム性能を比較した。DOOM3はビデオカードの比重が大きく差は少ないが、大航海時代ではほぼモデルナンバーに比例して性能向上が見られている。

●Cool'n'Quietオン/オフの性能差

Cool'n'Quietオン/オフの性能差
Cool'n'Quietのオンとオフでどのくらい性能が違うのか、オン/オフ両方の設定でそれぞれのベンチマークを実行してみたが、どのテストでも性能差がほとんどつかなかった。Cool'n'Quietでのクロック切り替えは、かなりインテリジェントに負荷を検出して行なわれているようだ。

 ベンチマークのスコアからコストパフォーマンスも算出してみた。表では「CP」の数字が小さいほうが、コストパフォーマンスに優れていることを示している。これでみるとAthlon 64 3000+のコストパフォーマンスが断然良く、下位モデルほどお買い得であることが分かる。

●コストパフォーマンス

Athlon 64 3000+のベンチスコアを100として、エンコード/3Dゲーム/64bit画像処理の項目ごとにレイティングを算出。「CP」の値は実売価格からそのレイティングの平均を割ったもので、平均レートの1あたりにかかる金額を示す。つまり、数字が小さいほうが、コストパフォーマンスが高い。
エンコード3Dゲーム64bit平均実売価格(円)CP
Athlon 64 4000+
(2.4GHz/L2 1MB)
1291151321256万2699501
Athlon 64 3800+
(2.4GHz/L2 512KB)
1261121291224万1839342
Athlon 64 3500+
(2.2GHz/L2 512KB)
1181091221162万9569255
Athlon 64 3200+
(2GHz/L2 512KB)
1101051091082万763192
Athlon 64 3000+
(1.8GHz/L2 512KB)
1001001001001万6469165

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