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ケンウッド インタビュー~iPod対応のカーナビ『HDM-555』~

2005年03月29日 22時27分更新

文● 編集部

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(株)ケンウッドはiPodに対応しタッチパネル操作が可能なハードディスクナビ『HDD [Sma:t] Navi』(型番:HDM-555)を2月下旬に発表し、3月中旬から販売を開始した。価格は22万500円。iPodの接続にはオプションの接続ケーブル『KNA-i77』(1万500円)が必要だ。

『HDD [Sma:t] Navi』(型番:HDM-555)。iPod接続ケーブルはオプション(iPodも付属しない)
『HDD [Sma:t] Navi』(型番:HDM-555)。iPod接続ケーブルはオプション(iPodも付属しない)

ハードディスクナビ『HDD [Sma:t] Navi』(型番:HDM-555)は同社がリリースした最新機種で、アイコンを大きくし分かりやすいキーワードから操作できる簡単さを打ち出した“スマートオペレーション”、DVD±R/RWにも加えiPodにも対応している“スマートエンターテインメント”、光沢のあるブラックを採用するなどデザインを重視した“スマートデザイン”の3点をうたっている。

操作画面 ナビ画面
“地図から”“したいことから”“わかることから”など簡単操作を追及している

今回は、特にiPod対応という点に注目し、同社カーエレクトロニクス市販事業部・CMS開発プロジェクト ナビシステム開発SPJリーダー/主幹の早川勉氏および広報室の久保田亮氏に、『HDD [Sma:t] Navi』(型番:HDM-555)について話をうかがった。

広報室の久保田亮氏(左)とカーエレクトロニクス市販事業部・CMS開発プロジェクト ナビシステム開発SPJリーダー/主幹の早川勉氏(右)
広報室の久保田亮氏(左)とカーエレクトロニクス市販事業部・CMS開発プロジェクト ナビシステム開発SPJリーダー/主幹の早川勉氏(右)
[編集部] ターゲットはどのあたりになるのでしょうか?
[久保田] 今まで弊社の製品はハイエンドのものが多かったんですけど、ボリュームゾーンに投入した機種になります。ハードディスクナビゲーションなんですが、DVDドライブも積んでます。
[編集部] iPodに対応した経緯を教えてください
[早川] 量販店に向けた市販製品に“ひと味”つけたいと考えてました。その“ひと味”を何ににするかがキーポイントで、iPodが音楽のストレージメディアとして浮上してきました。iPodをカーナビに接続することで、自分の財産を全部もってドライブできるという要素をなんとか実現したかったんです。
[編集部] MDに比べるとiPodは歴史が浅いわけですが、メーカーサイドとして不安はなかったのでしょうか?
[早川] MDは容量的に限度があるんですよ。iPodも限度がありますが、その限度ははるかにMDを超えていると思います。
[編集部] MDのようにブームになるという見込みがあったということでしょうか?
[早川] そうですね。著作権保護の仕組みが汎用化されてきた、あるいはそういう土台があってiPodみたいなものが登場してきたんだと思います。今後はパソコンから機器のなかにデータを蓄えるというものが増えてくる気がしています。メディアを意識しないで自分の好きなものを取り込めるという、そこにユーザーの“ウォンツ”がある。“ニーズ”ではなく、ウォンツですね。
[編集部] 今回の製品は国内のみの出荷なのでしょうか?
[早川] そうなります
[編集部] 操作系ですが、どのようになってますか?
[早川] 基本的には小さいiPodをそのまま表示させたような形になっていて、iPodを操作しているのと同じ感じですね。ただ、タッチパネルという点が違う。また、iPodにないものではスクロールバーをつけています。何十枚というアルバムを入れていくと検索が大変になる。このスクロールバーでダイレクトにとべるようになってます。


メニューはiPodのメニューと変わりない
メニューはiPodのメニューと変わりない
アルバム内の楽曲を表示したところ。下に見えるのがスクロールバー。ただし、バーの動作はスクロールというよりはメニュージャンプというニュアンスが正しいかも知れない
アルバム内の楽曲を表示したところ。下に見えるのがスクロールバー。ただし、バーの動作はスクロールというよりはメニュージャンプというニュアンスが正しいかも知れない
アルバムランダム再生、リピート再生、早送り、早戻しなどの操作ができる
アルバムランダム再生、リピート再生、早送り、早戻しなどの操作ができる
[編集部] 接続は専用ケーブルが必要なんですね
[早川] オプションで発売しています。このケーブルはオーディオを通すラインと、デジタルを制御するラインという2つの用途から成り立ってます。これはアップルコンピュータから指定された特殊なコネクターですね。各社まず共通だと認識しています。iPodを接続するとKENWOODのロゴがでてきて、自動的に楽曲の演奏がはじまります。この時点で操作はカーナビゲーションのタッチパネル操作に切り替わり、iPod本体での操作はできなくなります
ナビ中にも楽曲を表示して再生、曲送りなどができる
ナビ中にも楽曲を表示して再生、曲送りなどができる
[編集部] 他社の従来製品との違いは
[早川] これまではカーオーディオと接続して表示できるものありましたが、それだと液晶画面が小さすぎて若干魅力が落ちてしまうんですね。カーナビにこのような専用GUIをつけて……というのはなかったように思います
[編集部] カーナビから楽曲をダウンロードするという方向性は考えられないでしょうか?
[早川] 将来的にはそれもあるだろうと思います。先般公共の施設や駐車場などホットスポットサービスの実証実験がされました。イメージとしての実験になるんですが、 本来の路側通信でいろんなデータのやりとりをしようという構想が動いています。この路側サービスとしては2007年からお目見えするのではないでしょうか?
[編集部] 今後、カーナビゲーションにおけるオーディオはどうなっていくんでしょうか?
[早川] 今回のHDM-555というのはDVDもしくはCDなどの音楽のソースを提供できますが、AV一体型ナビげーションとは質が違うんです。なぜかというと、この本体にはアンプが入ってないんです。本格的なAV一体型のナビゲーションではない。次の段階ではオールインワンの一体型のナビを新しいGUIで提供していきます。

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