メモリレイテンシを削減する
HyperPath 2
画面1 HyperPath 2の有効/無効はBIOSセットアップから変更できる。デフォルトはAuto。 |
「HyperPath 2」は、メモリレイテンシを削減する機能。従来875PチップセットのPATと同じような働きをするものだ。875PのPATはノースブリッジ内部のデータ経路を最適化するものだったが、925Xチップセットで導入された、915Pや915Gにはないメモリアクセス最適化機能は、これとはまったくしくみが異なるものだ(詳細は明らかにされていない)。HyperPath 2は、915Pで925X相当の性能を出せるようにするものではなく、925Xおよび915P/Gで、従来PATを使えるようにしたものと考えられる。HyperPath 2によりメモリアクセスは着実に高速化するが、HyperPath 2を使っても925Xには及ばないようだ。
●Sandra2004 SP2 メモリ帯域ベンチマークテスト結果
Intel 925XとIntel 915Pの間には歴然としたメモリアクセス性能の差があるようだが、HyperPath 2の効果はしっかり現れている。 |
●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- OS
- Windows XP(SP1)
電力ゼロで冷却できる?
StackCool
写真1 StackCoolは、P5シリーズ裏面に貼られた特殊プレートから熱を逃がし、ボード上の温度を下げるフィーチャーだ。 |
Ai Proactiveの目玉的なフィーチャーとされているのが、この「StackCool」だ。ガラス素材を銅で挟んだ特殊なプレートをPCB底面に貼り付け、ボード上の発熱を逃がすというしくみ。電力をいっさい消費することなく、マザーボード上の温度を10℃下げる効果があるという。そこでStackCoolの有無でどのくらい周辺温度が違うか比べてみた。LGA775ではCPUクーラーもmPGA478に比べて周辺温度の冷却に有利になっているため単純な比較はできないが、最大20℃前後の温度差があった。使用後はPCB裏のプレートに熱が集まっていたことからも相当効果は高いと思われる。
●StackCoolテスト結果
メモリソケット側 | レギュレータ付近 | |
---|---|---|
P5GD2 Premium (LGA775/StackCoolあり) | 35~38℃ | 43~62℃ |
P4GD1 (mPGA478/StackCoolなし) | 36~40℃ | 50~81℃ |
エンコード中のCPUソケット周囲の温度を放射温度計で計測。単純な比較はできないものの、P4GD1は全体的に高いうえ、きわめて高温な部分がいくつかあったのに対し、P5GD2 Premiumは60℃あたりを上限に安定して低い温度を保っていた。
●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)、Pentium 4 3.40EGHz
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- CPUクーラー
- ともにリテールパッケージ付属のもの