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インフィニオンテクノロジーズジャパン、メモリーに関する記者説明会を開催──60nmプロセスのDDR4についても言及

2004年12月15日 23時40分更新

文● 編集部 新海宏一郎

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インフィニオンテクノロジーズジャパン(株)は15日、都内・五反田の同社本社で記者説明会を開催し、同社の事業内容や今後の事業戦略などの説明を行なった。説明会では、同社メモリ事業部部長のイバー・ヨハンソン(Ivar Johansson)氏が前年度の実績と事業内容を、同部の朝倉善智(あさくらよしとも)氏がメモリー事業について説明した。

メモリ事業部部長のイバー・ヨハンソン氏
メモリ事業部部長のイバー・ヨハンソン氏
同社のメモリー事業では、主にデスクトップパソコン向けDIMM、ノートパソコン向けメモリー(Micro DIMM)、サーバー向けメモリー、グラフィックス向けメモリー、携帯電話機向けメモリーなどを展開している。イバー氏は「2004年度(2003年10月から2004年9月)の全世界の売上高が前年比46%増に、日本では17%増になりました。また、世界シェアについては4%から5%になり第5位(2003年度は第7位)に上がりました」と実績を説明した。メモリー事業については「現在は主に110nm(ナノメートル)プロセスのDDR/DDR2対応メモリーを製造しています。それが約80%を占めていて、残りの20%は従来の170nmプロセスのメモリーなどを製造しています。90nmについては、200mmウエハーのサンプルを出荷中で、2005年度に量産開始、70nmについては、300mmウエハーの初期ロットを開発中で、2007年度の量産開始を目指しています」とメモリー事業の進展を説明した。同氏は「今後サブノートや携帯電話、デジタルカメラ、DVDレコーダー、液晶TV向けのメモリーモジュールの開発も行なっていきたい」と日本市場を重要視した事業展開を考えていることを語った。



2003/2004年度の半導体のシェアを示すグラフ 同社が製造しているメモリー関連製品
2003/2004年度の半導体のシェア同社が製造しているメモリー関連製品

メモリ事業部朝倉善智氏
メモリ事業部の朝倉善智氏
続いて、朝倉氏が登壇し同社のメモリー事業について説明した。同社が展開しているメモリー事業は、デスクトップ向けのDIMMやノートパソコン向けMicro DIMM、サーバー向け“FB-DIMM”(Fully Buffered DIMM)(※1)、グラフィックアクセラレーター向けの“GDDR3”、携帯機器向けの“Mobile-RAM”、携帯電話機向けの“CellularRAM”とパソコンからサーバー、携帯電話機と多彩にわたる。



メモリー容量とDDR技術の変化
メモリー容量とDDR技術の変化。256MBから512MBへは早期に移行するが512MB以降は移行に時間がかかるという
※1 FB-DIMM DIMM上にAMB(Advanced Memory Buffer)と呼ぶチップを設け、このチップとチップセット間をシリアルインターフェースで接続し、AMBチップとDRAMチップ間をこれまで通り汎用DRAMチップのパラレルインターフェースで接続することでバスへの負担を低減させるメモリー。

デスクトップ向けでは現在、主に110nmプロセスのDDR/DDR2 SDRAMを製造しており、2005年度には90nmのプロセスのDDR2に、2006年度には次世代のDDR3対応メモリーに移行し、さらに2007年度には70nmプロセスのDDR3への移行を目指して開発を進めているという。そして、2008年には60nmプロセスのDDR4に移行していくとの予測を示した。

デスクトップ向けメモリーのロードマップ
同社におけるデスクトップパソコン向けメモリーのロードマップ

また、ノートパソコン向けでは、主にMicro DIMMを展開しており、2003年から2005年度の世界シェアの平均では約17%を維持しているという。朝倉氏は、「弊社のMicro DIMMは同容量のSO-DIMMと比較して約65%小さくサブノートに向いている。消費電力も約50%低くノートパソコンのバッテリー寿命にも貢献している」と同社の技術をアピールした。なお、同社では7月にDDR2対応のMicro DIMMを発表している。

SO-DIMMとMicro DIMMのサイズ比較
SO-DIMMとMicro DIMMのサイズ比較

続いてサーバー向けメモリーについても説明した。朝倉氏は、「インテルと同様に弊社でもFB-DIMMの開発を進めている。しかし、バッファーチップとメモリーモジュールを合わせて開発/製造しているのは弊社だけである」とFB-DIMMにおける同社の強みをアピールした。同社では2007年度までに70%のシェアを狙いたいとしている。そのほか、“Mobile-RAM”では発熱量に対して電圧を自動的に下げる“On-Chip Temperature Sensor”技術を、“CellularRAM”では独自の低消費電力技術を紹介した。

FB-DIMMのサンプル
FB-DIMMのサンプル。中央にあるのがバッファーチップ。発熱が多いためヒートシンクが標準で搭載されている

発表会後の記者からの質問で、MRAM(Magnetoresistive RAM)(※2)について聞かれると、「量産はまだまだ先の話。現在は研究段階で量産どころか採用するかどうかも分からない」とコメントを控えた。

※2 MRAM フラッシュメモリー、DRAMなど従来のメモリーがメモリーセル内の電子を用いて記録を行なっているのに対し、MRAMは記憶媒体に磁性体を用いた不揮発性メモリー。

なお、同日、独インフィニオンテクノロジーズ社(Infineon Technologies AG)は、サンフランシスコで開催されている“2004年IEEE国際電子デバイス会議”において、次世代DRAM向けの300mmウェハーとディープトレンチ(DT)セルによる70nmプロセス技術を発表している。

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