ソニー(株)は14日、USBストレージメディア“pavit(パビ)”(※1)を採用したポータブルオーディオプレーヤーやデジタルカメラほか、2004年2月以降に発売する“アイワ”ブランドのAV製品12機種を発表した。今回の製品企画はソニーの一事業部であるアイワビジネスセンター(旧アイワのメンバー)が、製造はソニーの国内外の製造事業所が担当している。
左のモデルが手にしているのはポータブルUSBメモリープレーヤー『AZ-ES256』(ブルー)、右はデジタルカメラ『AZ-C7』。どちらもpavitを記録媒体として使っている | 左のモデルが手にしているのは『HZ-DS200』、右は『HZ-WS2000』。どちらもポータブルHDDプレーヤー |
東京・青山で開催された記者発表会には、ソニー執行役 副社長兼COOの高篠静雄氏や、アイワビジネスセンター プレジデントの平内 優氏が出席した。記者発表会の冒頭、高篠氏が壇上に立ち、「オーディオ市場は世界全体として衰退している上、中国や韓国の低価格攻勢で安閑としていられないのだが、なんとしてもビジネスを拡大していきたい」とし、「アイワブランドの強化がソニーにとって最重要課題だ」と意気込みを語った。
ソニー執行役 副社長兼COOの高篠静雄氏 | アイワビジネスセンター プレジデントの平内 優氏 |
AV製品はソニーブランドでも発売されているが、昨年1月の事業説明会より、ソニーブランドとアイワブランドの棲み分けが注目されていた。今回発表されたアイワブランドの製品は、小型記録メディアとしてソニーが開発したスマートメディアでなくUSBストレージメディアを採用したり、再生に対応するオーディオファイルの圧縮方式がソニー開発のATRAC3ではなくMP3であったり、ソニーブランドの製品と採用する規格が異なっている。これについて平内氏は、「アイワブランドの製品はソニーの要素技術を用いているが、それに100%縛られているわけではない。世間で“スタンダードテクノロジー”とされているもの――例えばUSBだったりMP3だったりする――を採用しているのが、アイワブランドの製品の1つの大きな特徴」と説明した。
平内氏のプレゼンテーションより。日本では62%、アメリカでは98%、ヨーロッパでは73%が、パソコンを音楽機器として使用しているという | レンタルCDを録音する時、どの記録メディアを使うかという質問を国内で行なったところ、50%がパソコンのHDD、61%がCD-Rと答えたという。MDは66% |
今後は、半年ごとにまとまった製品をリリースしていく予定。2004年度(2004年4月~2005年3月)までの売上目標は、今年秋に発売予定のAV製品を含めてワールドワイドで100万台(金額ベースでは非公表)。黒字転換を目指すという。