モバイル仕様のため
スペックはやや低め
写真5 本体背面はバッテリが装着されていることもあり、端子はアナログRGB出力のみ。専用ケーブル経由で接続する。 |
基本スペックはバッテリ駆動時間や本体の軽量さを重視した仕様となっており、CPUはTransmetaのTM5800-1GHzを採用。メモリは256MB固定で増設はできない。HDDは1.8インチサイズの小型ドライブを採用し、容量は15GBだ。数値だけ見るとスピード、容量ともにいまどきのノートPCとしては低めの感は否めないが、これはモバイル性能(薄型化や軽量化)を追求した結果と割り切って考えるべきだろう。
インターフェイスはUSB 2.0ポートが左右側面に1つずつ、TypeII対応のPCカードスロットが1つ、10/100Base-TX対応のLANポート、そして外部VGAとオーディオ出力端子を装備する。IEEE1394を持たないのは寂しいが、USB 2.0が2つあるので外部機器(外付けHDDや記録型DVDドライブなど)の接続には困らない。IEEE802.11b準拠の無線LAN機能も内蔵しているので、街中に増えてきたホットスポットサービスからのワイヤレス通信も可能だ。
本体左側面。 | 本体右側面。 | |
写真6、7 USBは左右側面に1つずつ装備。Ethernetポート以外はカバーはついていない。左側面奥は本機を外付けHDDとして利用するための専用端子だ。 |
ほかに、本機をほかのPCとデータ連携するための特殊ポート“DirectHD”が用意されている。これはオプションの専用クレードルか“DirectHD専用ケーブル”(PC側はUSBポートに接続)を利用することで、本機を外付けHDDとして使えるというもの。オフィスでデスクトップPCを使っていても、この機能を利用すればデータを本機で一元管理できるうえ、アクセスも手軽に行えるというわけである。なお、“らくらくモバイルセット”ではDirectHD専用ケーブルが標準添付になっている。
OSには「Windows XP Professional」を搭載、付属ソフトはウイルス駆除の「Norton AntiVirus 2003」や地図ビューアの「プロアトラスW for SHARP」などで、オフィスアプリは用意されていない。
モバイル向けとしてはなかなか優秀な本機だが、実機を使って気になった点もある。まず、ファンレス仕様で静かなのはうれしいのだが、その代わりにキーボードやパームレストが若干熱を持つこと。また、マイク端子がないためIP電話やメッセンジャーでのボイスチャットが利用できず、本体内蔵スピーカが底面にあるためひざの上で使っていると音が聞き取りづらいなど、オーディオ部分に不満がある。これらの点は今後のモデルで改善して欲しいところだ。
本機の一番の魅力はコンパクトなボディ。内部スペックやソフトウェアは必要最低限なので、これをメインマシンとして使っていくのは少々厳しいが、機動力のあるセカンドマシンとしてみればこれほど魅力的なマシンはまずないだろう。価格は“SHARP PC ONLiNE”で確認できる。なお、会社と自宅で使い分けられる追加のACアダプタ(合計2つ)と本機を外付けHDDとして使うためのDirectHD専用ケーブルがセットになった「らくらくモバイルパック」も用意されている。モバイル重視のユーザーはらくらくモバイルパックのほうがお買い得であろう。
PC-MM1-H3Cの主なスペック | |
製品名 | PC-MM1-H3C |
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CPU | Transmeta TM5800-1GHz |
チップセット | ALi M1535+ |
メモリ | DDR SDRAM 256MB(固定) |
グラフィックス | Lynx 3DM+ |
液晶 | 10.4インチTFT/1024×768ドット(1677万色) |
HDD | 15GB |
FDD | なし |
光メディアドライブ | なし |
拡張スロット | PCカードTypeII×1 |
通信 | Ethernet(10/100Base-TX)、IEEE802.11b準拠無線LAN |
インターフェイス | USB 2.0×2、アナログRGB出力、ヘッドフォン出力 |
バッテリ駆動時間 | 約3.1時間 |
サイズ | 251(W)×206(D)×13.7~19.6(H)mm |
重量 | 約0.95kg |
OS | Windows XP Professional SP1 |