米The SCO Groupは14日、同社のUNIX関連の知的所有権を明確化するために、当面はLinuxディストリビューションの販売を中止すると発表した。
これは、1月に設立されたUNIX関連の知的所有権を調査する“SCO Source”事業部により、Linuxのソースコード中にUNIX由来のものが発見され、UNIXの知的財産を侵害しているとされたことに基づく措置。Linuxソースコード中のどの部分がUNIX由来かについては公開されていない。
また、これに関連し、米The SCO Group社長兼CEOであるDarl C. McBride氏の名前で全世界の主要顧客に対して警告メールを配信したという。これは顧客に対し、Linuxは明らかに未許可のUNIX派生著作物であり、Linuxを使用することで法的な責任を問われる可能性があることを警告すると同時に、同社はLinuxに対して積極的にUNIXの知的財産権を主張することが明記されている。このメールの全文は同社Webサイトに掲載されている。
この発表について、日本SCO(株)代表取締役社長の麻生誠氏は、「ユーザーへの警告メール送信は米国側で独自に進めたようで、日本の大手顧客にも同様のメールを送信していると聞いている。こんなことは本来、ビジネスとして許されることではないと思うが、問い合わせがあれば我々の立場について説明するしかない。この件に関連しては米国主導で動いており、我々から何らかのアクションを起こすつもりはない」と、日本法人の立場を説明した。
今後の事業については、「『Open UNIX』や『SCO UNIXWare』、ミドルウェア『Volution』については、これまで同様にサポートを提供する。Linux製品についても、これまで同様のサポートを継続するつもりだし、既存ユーザーに対しては法的な責任も問わないつもりだ」と説明している。