マイクロソフト(株)は27日、報道関係者を対象とした月例プレス説明会を開催し、Windows Serverの進化について説明した。
マイクロソフト執行役員製品マーケティング本部本部長の佐藤哲也氏 |
同社は1993年から9年間、Windows Serverにおいて、可用性の向上、管理性の向上、パフォーマンスの向上、セキュリティーの強化に向けて継続的に取り組んでいるという。相互運用性を実現するため、インターネット標準策定作業へ積極的に取り組むことで、さまざまな標準技術を製品へいち早く実装できたとしている。また、サポート体制はパートナーと協業し今後さらに強化するという。
セキュリティーに強化については、提供するソフトの脆弱性をなくし、ユーザーにセキュリティー強化技術を導入/運用してもらうことを目的に、“Secure in Design”(製品のアーキテクチャーやコードの脆弱性をなくす)、“Secure by Default”(攻撃対象となるコンポーネントを削減し、製品導入段階で利用しない機能を既定で無効化する)、“Secure Deployment”(攻撃からの保護/防御や運用ガイダンス/トレーニングの提供)、およびMicrosoft security response centerの設置やセキュリティー関連コミュニティーとの協調といった取り組みを行なっているという。セキュリティー強化の結果、Windows 2000がISO 15408の“セキュリティ評価共通基準認定”を取得したとしている。また、セキュリティー対策活動の強化として、ウェブでの情報発信を日米同時に行なうようになったほか、Windows 2000セキュリティー運用ガイドも発行している。
同社は、インターネットを利用したコンピューティング環境が社会基盤となるにあったって、セキュリティーが最も重要とし、パートナーと協業しながら10年計画でセキュアな環境を実現するとしている。短期的には製品のデザインや実装技術、セキュリティーポリシーの改善を行ない、中期的には自己修復機能を持つシステム管理とサービス施策を実現、長期的には基礎研究を重ねてさまざまな政策課題を解決したいとしている。Windowsをセキュアな形で提供することで、“信頼できるコンピューティング(Trustworthy Computing)”環境を実現するという。
なお、次期サーバーOS『Windows .NET Server 2003』の出荷時期は2003年4月ごろと説明、同社は「まもなくRC2(Release Candidate 2)をリリースする。RC2まで順調にきたので来年4月には提供開始できるだろう。数週間の前後は許してほしいが、大まかなスケジュールには確信を持っている」としている。
マイクロソフト製品マーケティング本部Windows Server製品部部長の高沢冬樹氏 |
また同社は、電子政府/電子自治体システムにおけるオープンソースソフトウェアの推進に対する見解をまとめた。同社はオープンソースソフトウェアを否定しているものではないとしながら、現在の議論では“オープンソース”とは何なのかがはっきりとしておらず、大きな混乱が生じているとし、「オープンソースが特別なものとして扱われるのは適当でなく、製品の開発方法が何であるかより、製品がどのような機能を備え、その製品を利用して構築/運用されるシステム全体のコストがどれくらいになるかといったことを総合的に判断して決定すべき」としている。