(株)小学館は22日、(株)モノリスの画像処理技術“フレームフリー”および“モーショングラビア”を採用したDVDタイトル『SHOGAKUKAN DVD MAGAZINES d idol 吉岡美穂「BALIAN」』の発売記念イベントを東京/秋葉原の石丸電気ソフトワンで行なった。
DVDタイトル発売記念イベントに登場した吉岡美穂さん |
同製品は、グラビアアイドルの吉岡美穂さんをモデルに迎え、デジタルスチルカメラで撮影した静止画から、フレームフリー/モーショングラビア技術を用いて動画化した、写真集でもビデオでもない“モーショングラビアDVD”。
フレームフリー技術は、特異点フィルターを利用して、複数の画像をピクセル単位で自動的にマッチング計算(一方の画像のある部分が、もう一方の画像のどの部分に対応するか)するもの。モーショングラビア技術は、フレームフリー技術で計算したマッチング情報を元に、画像間における連続的な中間画像をリアルタイムで自動生成するもので、複数の静止画を動画化したような映像を作り出せる。新たに動画データを作成するのではなく、中間画像がフレームバッファへダイレクトに書き込まれる仕組みとなっている。
画像と画像とのキーフレーム間において生成する中間画像の枚数は任意で指定可能なため、画像の変化スピードも自由にコントロールできるという。なお、今回のBALIANは、使用キーフレーム数1427枚に対し、出力フレーム数は5万3851枚(1キーフレームに付き約38枚)となっている。
BALIANは、これらの技術を採用した初のDVDタイトルで、イメージコンセプトは“吉岡美穂がバリ島で見た白昼夢”。本編であるモーショングラビア(30分)のほか、メイキングビデオ(27分)も収録されている。価格は1900円。発売元は小学館、販売元はポニーキャニオン。
『SHOGAKUKAN DVD MAGAZINES d idol 吉岡美穂「BALIAN」』のジャケット(発売元:小学館 価格:1900円) |
本日の発売記念イベントでは、吉岡美穂さんのほか、映画監督のはくぶん氏、モノリスの平賀督基氏が登場、モーショングラビアのデモなどを行なった。
左から、はくぶん氏、吉岡さん、モノリスの平賀氏。「撮影現場自体は、ムービーというよりもグラビア撮影のような感じでした」(吉岡さん) |
BALIANのモーショングラビアについて、吉岡さんは「映像はとても不思議な感じです。動きがまったりしているので、見ていて気分が落ち着きます。映像は確かに私なんですけど、自分の動きではないので、違う私みたいです」とコメントした。
さらに、一般のファンを招いてトークショーや吉岡さんの握手会も行なわれた。
平賀氏「とある掲示板で、(モーショングラビアは)見ていると目が疲れるという書き込みがあって(笑)」
吉岡さん「そんなことないですよ。まったりしているので、私、見ていて眠くなりました(笑)」
はくぶん氏「普段自分たちが見ている映像とは違う動きなので疲れるんだと思います。くつろいで見れば疲れないですよ」
はくぶん氏は、「これは画期的な技術。最高画質の動画を作成できるし、データも非常に軽量ですむ。ブロードバンドコンテンツにも適しているだろう。今回DVDタイトルとして発売することで、この技術の実用性、有効性を証明したい」としている。