アイマテックジャパン(株)は19日、顔画像認識技術を利用したフェイシャルアニメーション専用のオーサリングソフト『FaceStation』を発売すると発表した。
販売は基本的にパソコン本体・グラフィックスカードなどとのセット販売で、価格は190万円~210万円。ソフト単体での販売(実売40万円前後)も行なう。
『FaceStation』のパッケージ |
これまで、モーションキャプチャーのシステムを揃えようとすると、価格としては1000万円を超えるものがほとんどだったが『FaceStation』についてはPCワークステーション・液晶ディスプレー・業務用ビデオカメラまでがセットになって190万円~210万円と、5分の1の価格となっている。
例えば、オフライントラッキングとCGオーサリング環境を揃える場合、
コンパックコンピュータ(株)のPCワークステーション『EVO Workstation W6000』、米NVIDIA社のグラフィックスカード『Quadro4 750XGL』、(株)ナナオの液晶ディスプレー『EIZO FlexScan L685EX』、(株)オートデスクの3DCGソフト『3ds max 4.2J』、ビクター(株)の業務用ビデオカメラ『JVC BR-DV600』、『FaceStation』のセットで190万円。
このソフトは米アイマティック・インターフェーシズ社が国際特許を持つ画像認識技術を応用しており、従来はマーカーを顔の特徴に取り付けるなどの作業が必要だったが、このソフトでは顔画像から顔の特徴を自動検出し、リアルタイムでトラッキングを行なえるのが大きな特徴。
顔画像認識技術は、まず撮影された顔画像にノードと呼ばれる特徴点を50ポイントほど設定し、“ガボールウェーブレット変換”(※1)を用いて、それぞれのノードの方向性、濃淡、位置関係などを抽出して本人固有のデータを作成する。そして、ノードの集合体であるグラフを入力画像に当てはめ、傾き補正などを自動的に行なう。 従来は目の2点だけで正規化を行なっていたが、この方法の場合は顔の傾きや表情、 経年変化などに強いのが特徴。
※1 ガボールウェーブレット変換……顔などの認識を行なうための特徴抽出技術。
機能としては、ビデオカメラなどで撮影中の顔の画像から自動的に顔の表情、口の動きをとらえて、リアルタイムでトラッキングする“FaceTracker”、顔の画像から得たトラッキングデータを3D化する“FaceDriver”、AVI、またはMPEG形式の顔画像をトラッキングする“FaceLifter”、正面と横顔の画像から“アバター”(化身)を作ることができる“AvatarEditor”の4つを利用できる。
ビデオカメラで撮影しながらトラッキングができる“FaceTracker”の画面 |
正面顔と横顔から特徴をとらえてアニメーションを生成、自分の“アバター”(化身)を作ることができる“AvatorEditor”の画面 |
“Facelifter”はAVI、MPEGファイル形式の顔画像からトラッキングデータを作成できる |
トラッキング結果を3Dアニメ化する“FaceDriver” |
動作環境としては、OSはWindows 2000、CPUはPentium 4推奨。ビデオカードは米NVIDIA製GeForce2 Pro以上、Quadro2 Pro推奨。なお“FaceDriver”は『3ds max』やエイリアス・ウェーブフロント(株)の『Maya』のプラグインとして使用する。
同社ではアニメーション、Web3Dなど、映像製作の分野をターゲットに、年内に500本の販売を目標としている。