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ロータス、『Notes/Domino 6』発表──サイボウズと連携めざし業務提携も

2002年06月19日 00時23分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ロータス(株)は18日、都内で開催した“Lotus Forum 2002”の基調講演で、企業向け情報プラットフォームの新バージョン『Lotus Notes/Domino 6(ロータス ノーツ/ドミノ シックス)』を発表した。2002年第4四半期に発売予定で価格は未定。また同時にサイボウズ(株)とグループウェア分野で業務提携すると発表した。スケジューラー管理ソフト『サイボウズ ガルーン』をLotus Notes/Domino 6と連動させるとしている。

日本アイ・ビー・エム(株)ソフトウェア事業部長で理事の平井康文氏
日本アイ・ビー・エム(株)ソフトウェア事業部長で理事の平井康文氏

Lotus Forum 2002の基調講演と、その直後に行なわれた記者発表会では、ロータス代表取締役社長の安田誠氏と日本アイ・ビー・エム(株)ソフトウェア事業部長で理事の平井康文氏が、日本IBMのソフトウェア戦略におけるロータスの位置づけと、ロータスの今後の製品戦略などについて語った。なお、ロータスの全事業は日本IBMへの移管が終了し、ロータス社員もすでに転籍済み。今回のLotus Forumはロータスが主催する最後のイベントとなっている。

平井氏によると、IBMはミドルウェア戦略を、ナレッジマネージメントやコンテンツ管理などを統合したフロントエンドである“Dynamic Workplace”、バックエンドサービスを統合する“Business Process Integration”、オープンスタンダードに基づいて市場とダイナミックに統合する“Web Service”という3つの統合エリアに分けている。そしてそれぞれを『WebSphere』『DB2』『Lotus』『Tivoli』という4ブランドがカバーしているが、特にフロントエンド部分であるDynamic Workplaceにおいて、ロータスは中核的な位置づけにあり、メッセージとコラボレーション機能によるノウハウや知識の統合という役割を果たすという。

“Dynamic WorkPlaces”におけるIBMの4ブランドの役割
“Dynamic WorkPlaces”におけるIBMの4ブランドの役割

ロータスの製品はすでにコンポーネント化されているが、製品固有のAPIを持っている状態という。今後の方向性については、それぞれのコンポーネントのサービス化を進めることで、過去の資産を継承しながら、アプリケーション開発を効率化していくという。

ロータス代表取締役社長の安田誠氏
ロータス代表取締役社長の安田誠氏「社長の肩書きは今回で最後」という。なお、日本IBM移籍後は理事、データマネジメント・ソリューション事業部長

続いて安田氏が新バージョンであるNotes/Domino 6について紹介した。新バージョンはクライアントの見た目ではそれほど変化がないが、ユーザーからの声に応えるかたちで、ダウンロード/アップロードのバックグラウンド化やレプリカ時のデータ圧縮によるネットワークパフォーマンス強化など、使いやすさを徹底して改善した。さらに基幹システムとして、ミッションクリティカルな運用のための管理機能の強化、ディレクトリサービスとの統合やクライアント環境の集中管理などによるTCOの削減を追求したとしている。

Notes 6のトップ画面の例
Notes 6のトップ画面の例
Dynamic WorkPlaceにおけるNotes/Domino 6の役割
Dynamic WorkPlaceにおけるNotes/Domino 6の役割(黄色に塗られている部分)

安田氏は「Notes/Dominoは登場から10年経っても同様な製品が出てこない“孤高”の製品。登場以来、オブジェクト指向を取り入れたデータ構造やビジネスに対応するセキュリティーモデル、XML的な考え方の先取りと実装など、Notesの本質は変わっていないが、物理的なデータ格納、通信プロトコルやクライアントなど本質的でないものはどんどん変わっている」という。そして、今後も業務における非定型で文書型処理はなくなることはなく、そうしたウェブアプリケーションに不向きな部分がNotes/Dominoの得意とするところであり、業務ソフトウェアとしての重要性はなくならないとした。

サイボウズ代表取締役社長の高須賀宣氏
サイボウズ代表取締役社長の高須賀宣氏

安田氏はここで、サイボウズとの業務提携を発表、壇上にサイボウズ代表取締役社長の高須賀宣氏が登った。両社の業務提携は、グループウェア分野においてロータスのNotes/Domino、サイボウズの日常の“揮発型情報”を扱うスケジュールソフト『サイボウズ』の強みを生かしつつ連携させ、グループウェア市場の活性化と顧客満足度向上を目指すものだという。

サイボウズガルーンとNotes/Domino 6の連携イメージ
サイボウズガルーンとNotes/Domino 6の連携イメージ。なおNotes/Domino R5以前には対応予定はない

サイボウズは1サーバー当たり1000人まで対応可能で、さらにサーバーを複数用意し、それらサーバーが相互に分散処理を行なうことで数十万人クラスまで拡張可能なスケジューラーソフト『サイボウズ ガルーン』を5月に発表しているが、このサイボウズ ガルーンに、Notes/Domino 6の発表に合わせて連係機能を付加するという。これによって、サイボウズのスケジューラー機能をNotesの追加機能として使えるほか、サイボウズ ガルーンのトップページからDomino 6ベースの業務アプリケーション情報を閲覧できるようになるという。さらにDomino 6ベースの顧客管理アプリケーションをサイボウズユーザーに提携し、カスタマイズ可能なCRMシステムがサイボウズベースで可能になるとしている。

サイボウズは、企業がNotes/Dominoを活用して活性化することを目的とした“ノーツがもう一度日本を救う会”に入会し、ほかの会員企業11社とともにグループウェアを導入する顧客の満足度向上に取り組むという。

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