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BIOS書き換えの味方「ROM焼きだいじょうぶ!」に新バージョン2モデルが登場

2002年06月13日 00時00分更新

文● Jo_Kubota

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新型RD1

 台湾IOSSの「ROM焼き だいじょうぶ!」シリーズと言えばBIOSアップデート事故を防ぐ便利なアイテムとしてアキバのユーザーにはお馴染みだが、増えるBIOSフラッシュROMの種類に対応するべく今回新たに2モデルが仲間入りしている。価格はともにコムサテライト3号店で3780円。

 現在出回っているマザーボードのBIOSフラッシュROMは形状により2種類に分類される。ひとつは“いかにもIC”といった外観のDIPタイプで、これは容量により1Mbitと2Mbitがあるものの、最近では2Mbit品が主流。この2Mbitに対応するROM焼きだいじょうぶ!シリーズは従来の「RD1-2M」だ。そしてもうひとつはほぼ正方形状のPLCCタイプだ。PLCCタイプは大きく分けてインテルの“FWH”(FirmWare Hub(※1))タイプとそれ以外に分かれる。 FWHにはIntel純正の8Mbit品“i82802AC”と4Mbit品の“i82802AB”があり、大抵の場合4Mbitの82802ABが搭載されているのだが、このi82802ABに対応するROM焼き大丈夫が「RD1-8X」。また従来、Intel製チップセット以外を採用するのマザーボードでPLCCタイプを採用している場合は概ね2Mbit品のフラッシュROMを採用していたため、「RD1-PLCC」で対応していた。

※1 FWH Intelの“i8xx”チップセットで採用されるハブアーキテクチャに対応するBIOS ROMインターフェイス。汎用性のある従来のフラッシュROMが接続できないため、専用のROMが必要となる。



RD1-LPC2&8X2
RD1-8X2
RD1-8X2裏面
「RD1-LPC2」と「RD1-8X2」。見た目は従来とまったく同じ。ともに32ピンPLCCへ対応するのだが、マザーボード上のROMにより選択する製品が異なっている

 今回店頭に並んだのは「RD1-LPC2」と「RD1-8X2」。これはもちろん、従来のRD1シリーズでは対応できないBIOSフラッシュROMを搭載するマザーボードに対応すべく新たに投入された製品だ。

 まずRD1-LPC2は、AMD製CPUをサポ ートする一部のマザーボードで最近採用例が増えているSST社の2Mbit BIOSフ ラッシュROM“49LF020A”に対応する製品。RD1-LPC2の「LPC」とはチップセットとBIOS ROMを接続する「LPCインターフェイス」に由来されると推測される。IOSSのウェブサイト掲載されているデータベースによると、ASUSTeKの「A7V333」や 「A7V266-E」などが該当するようだ。
 一方RD1-8X2は、2MbitのFWHを搭載するマザーボード用。最近、Intel製チップセットを搭載するマザーボードの一部ではコストの問題からFWH互換ROMである40LF002Aを採用しているケース が少なくなく、この場合従来のRD1-8Xではうまく動作しないことがあった。RD1-8X2はこの不具合に対応するため登場したようだ。



49V002A 49LF002A
「RD1-LPC2」に採用されているROMはWinbondの“49V002A”一方RD1-8X2に採用されているのSSTの“49LF002A”。微妙だが違う

 新しい世代のBIOSフラッシュROMは、前述したようにマザーボードによってLPC対応版とFWH対応版に分かれる。そしてROMチップのメーカーは現時点ではSSTまたはWinbondのものが採用されている例が多い。マザーボードと、対応するROMの関係は下のとおり。

マザーボードと対応するBIOS ROM、RD1の型番
SST型番Winbond型番RD1の型番と、当該RD1が採用するROM型番
LPC対応ROM49LF020A49V002ARD1-LPC2:49V002A
FWH対応ROM49LF002A49V002FARD1-8X2:49LF002A
シールを剥がす
シールを剥がしてもROMは見えない。ROMを見るためにはRD1の底面を剥ぎ取る必要がある

 似たような型番のため非常に分かりにくいが、微妙な型番の差により「ROM焼きだいじょうぶ!」も2種類あるというわけだ。なお編集部でRD1-LPC2/8X2を購入して分解したところ、RD1-LPC2にはWinbondの“49V002A”が、RD1-8X2にはSSTの“49LF002A”が搭載されていた。LPC版とFWH版は型番も似ており容量は同じ。しかも基本電圧も3.3Vで同じであり、そうなると互換性があるのではないか、つまり、2モデル投入する必要が果たしてあるのか? という疑問が出てくる。



P4B533-VMのBIOS ROM FlashType Unknown
SSTの49LF002Aを採用するP4B533-VMでRD1-LPCを利用としたが、ROMタイプ不明となった

 そこで、本当に互換性がないのかをチェックしてみた。テストにはASUSTeKのi845Eマザーボード「P4B533-VM」を利用。SSTの49LF002Aが搭載されている同製品にRD1-LPC2を差し、BIOSアップデートができるかどうかを試してみた。結果は右の写真のとおり、“FlashType Unknown”でアップデート不可能。1枚限りのテストではあるが、やはりマザーボードごとにに対応した製品が必要となるようだ。購入する際にはくれぐれも間違った製品を購入しないよう事前によく調査しよう。



同梱品
従来の製品と同じくROMを引き抜く器具とROM切替スイッチが同梱される
【取材協力】

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