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『かまいたちの夜』がTVドラマ化

2002年06月10日 18時31分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)東京放送(TBS)は10日、7月3日夜9時に放送する2時間スペシャルドラマ『かまいたちの夜』に関する記者会見を行なった。ドラマ『かまいたちの夜』は、(株)チュンソフトの人気ゲームソフト『かまいたちの夜』のストーリーをベースとしたもの。

ドラマ出演者
ドラマ『かまいたちの夜』の出演者の皆さん。前列左から、松金よね子さん、北村総一朗さん、内山理名さん、藤原竜也さん、佐野史郎さん、萩尾みどりさん。後列左から、田中要次さん、山下容莉枝さん、浅香唯さん、小橋賢児さん、濱田万葉さん、温水洋一さん。皆さん、ドラマで着用する衣装で登場。松金さんは「私のファッション自体がホラーね(笑)」

ゲーム『かまいたちの夜』は、1994年に発売されたゲームで、画面に表示されるストーリーと音楽を楽しみながら、プレイヤー自身が選択肢を選んで展開していく“サウンドノベル”というゲームジャンルを確立させた。脚本はミステリー作家の我孫子武丸氏。販売累計は125万本。

ドラマ『かまいたちの夜』は、とある書店に勤めるフリーターの“高彦”(藤原竜也)が、ゲーム『かまいたちの夜』のファンサイトのオフ会のために、サイトで出会った“真理”(内山理名)や“俊夫”(小橋賢児)らメンバーと、白馬にあるペンション“クヌルプ”を訪れるところから始まる。

ところが手違いからクヌルプには泊まれず、一行は偶然にもゲームの舞台と同名のペンション“シュプール”に泊まることになる。外は激しい嵐に見舞われ、人里離れたペンションでは携帯電話も圏外。ペンションにいるのはオフ会メンバーと宿泊客、オーナー夫妻の計12人。オフ会メンバーは、今回の旅行の目的であるゲーム『かまいたちの夜』の自作自演の再現ビデオの撮影に取り掛かるが、そんな折り、第一の殺人が起きる……。

閉ざされた空間で起こる殺人と、次は自分かもしれないという恐怖。インターネット上で出会った仲間も、メールやチャットだけの付き合いなので、それぞれが名乗っている名前や職業も本当なのか分からない。原作が持つ本格的な謎解きゲームに加えて、極限状態で生ずる疑心暗鬼の心や恐怖を描くホラーミステリードラマとなっている。「ゲームとは違う様相となっている。もうひとつの『かまいたちの夜』として楽しんでほしい」(中川善晴プロデューサー)。

出演は、オフ会のビデオ撮影時に“透”役を演じる佐竹高彦役に藤原竜也さん、野村真理/柳沢涼子役に内山理名さん、日高俊夫役に小橋賢児さん、啓子役に浅香唯さん、可奈子役に濱田万葉さん、みどり役に山下容莉枝さん、美樹本役に温水洋一さん、田中一郎役に田中要次さん、春子役に萩尾みどりさん、今日子役に松金よね子さん、香山社長役に北村総一朗さん、小林オーナー役に佐野史郎さん。脚本は伴一彦氏、演出は吉田秋生氏。

藤原さん、内山さん、小橋さんとも、以前ゲーム『かまいたちの夜』をプレイしたことがあるそうで、藤原さんは「小学校のときからゲームをやっていました。今回のドラマに参加できて光栄です」とコメント。

また、脚本について伴氏は、「ゲームをプレイしたところ非常に怖くて楽しめた。このゲームの世界を壊さないように、オリジナルのホラーの部分を加えた。ゲームのダイジェスト版にはしたくなかったので、ファンのオフ会から話を膨らませた」と説明。

演出の吉田氏は「ホラー色を強めたいという意向から、廃校となった古い小学校を改築したペンションを舞台に設定した。この小学校がドラマの中で大きな意味を持っている。出演者も皆個性的でヘンなヤツばかり出てくるので、丁々発止の掛け合いを楽しんでほしい。このドラマは、ミステリーホラーであり、また繊細で傷ついた若者たちの内面を描いた青春ドラマでもある」と語った。

また、発表会に同席したチュンソフトの代表取締役でゲームプロデューサーである中村光一氏は、「開発者側にとってゲームがドラマ化されるというのはひとつの夢であり、感動している。ゲーム内容を深く理解してもらい、質の高いドラマにしていただいた」とコメントした。

藤原さん内山さん制作スタッフ
左から、脚本の伴氏、チュンソフトの中村氏、内山さん、藤原さん、プロデューサーの中川氏、演出の吉田氏

チュンソフトは、『かまいたちの夜』の続編となるプレイステーション2用タイトル『かまいたちの夜2~監獄島のわらべ唄~』(価格6800円)を7月18日に発売するが、今回のドラマ『かまいたちの夜』を収録したDVDなどが付属する限定版『スペシャルBOX』も同時にリリースするという。

スペシャルBOXは、ゲーム本体に、ドラマ本編およびドラマメイキング集、ゲームメイキング集を収録したプレミアムDVD、ヒロインの真理を再現した特製“真理フィギュア”付き携帯ストラップ、特製マウスパッドを同梱したもの。ゲーム通常版と同じく7月18日発売で、価格は9800円。なお、TVドラマ単体でのDVD等でのリリースは予定されていない。

ひと足早く『かまいたちの夜2』をプレイしたという藤原さんは、「(『かまいたちの夜』と比べて)映像がきれいになっていて、音楽も良かった。1人じゃできないくらい怖かったです」と感想を語ってくれた。

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