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NGC、デジタルコンテンツブラウザー『iBrowser』の製品概要について発表

2002年05月10日 22時39分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)エヌジーシーは10日、同社が4月に発表したデジタルコンテンツブラウザー『iBrowser』の製品概要についての説明会を開催した。同製品は、韓国のInnotive社が開発したもので、NGCはInnotiveと総代理店契約を締結し、国内向けに販売する。

同製品のデモ
タッチパネルディスプレーを用いた製品のデモンストレーション。地球の画像をクリックすると地球全体の画像に切り替わり、任意の地点へとズームを行なえる

iBrowserは、静止画や動画などを表示するためのデジタルコンテンツブラウザーで、19万×14万ドットなどといった巨大な静止画を表示し、ズームイン/ズームアウトを高速に行なったり、複数の動画を1画面上で同時に再生したりできる。Windowsが動作すればノートパソコン上でも利用できる。表示するコンテンツには、“IPQ”という独自のファイル形式を用いる。IPQは、専用のコンテンツ作成ツール『iAuther』と『iMapEdit』を利用して作成する。

イメージ図
“ハイパーピラミッド構造”と“イメージタイル構造”のイメージ図

同製品は、必要な時に必要な分だけのデータにアクセスする技術“ピクセル・オンデマンドテクノロジー”に基づいて開発されている。またIPQファイルは、解像度の異なる複数の画像を用意し、全体像から詳細画像へと、解像度に従って画像を重ねて階層的に構成する“ハイパーピラミッド構造”と、複数の画像を並べて1枚の画像を構成する“イメージタイル構造”、および各画像の階層ごとに圧縮技術を適用する“画像圧縮”の3つを組み合わせたものとなっている。これらの技術により、たとえば衛星写真なら、日本全体から県へ、さらに特定の都市から市町村へ、といった具合にズームして閲覧を行なえる。画像内にはハイパーリンクを張ることもできるため、衛星写真から地図の画像やウェブサイトへジャンプする、といった構成も可能となる。

デモンストレーション。地球の衛星写真
デモンストレーション。地球の衛星写真。任意の地点へズームを行なえる
デモンストレーション。韓国の全体地図
衛星写真上で韓国にズームしていくと、ハイパーリンクから韓国全土の地図にジャンプする。同社によれば、この地図の解像度は19万×14万ドット
地図上の任意の地点をズームして閲覧できる
地図上の任意の地点をズームして閲覧できる。クリックしてからズームされるまでの間はほとんど無く、ストレスを感じることはない

また、複数の画像を連続して表示することも可能。プレゼンテーションツールとして利用できるほか、少しずつ変化する一連の写真を高速で切り替えて再生すれば、アニメーションとしても閲覧できる。たとえば、医療用のMRIを利用して人体の輪切り写真などを撮影し、その画像を利用して人体の内部を、頭頂部から足の先までアニメーションとして閲覧することが可能。

デモンストレーション。複数の動画を同時再生
複数の動画を同時再生するデモンストレーション

動画も、ピクセル・オンデマンドテクノロジーを応用して、複数の動画を1画面で同時に再生させることができる。さらに、ハイパーリンクを組み合わせることによって、ウェブページやサウンドなどを統合したコンテンツを作成できる。

同社取締役でブロードキャストシステム&インテグレーション営業部長の太田純一氏
同社取締役でブロードキャストシステム&インテグレーション営業部長の太田純一氏

発表会において、同社取締役でブロードキャストシステム&インテグレーション営業部長の太田純一氏は、同製品の利用方法として「韓国ではテレビ番組のほか、博物館や、子供向けのテーマパークなどで、タッチパネルディスプレーを利用して来場者向けのコンテンツを提供している」と韓国での事例を挙げ、想定している利用方法として「国全体や都市部の衛星画像に迅速にアクセスしたり、新聞や雑誌などの紙媒体を並べて高速表示させることができる。デジタルライブラリーや、デジタル出版物のブラウザーとして利用したり、学校教育の教材としても利用できるだろう」と語った。また同氏は、日本での導入例として「フジテレビが朝の番組の中で、同製品を利用しているのをご覧になった方もいらっしゃると思う。また、通信販売会社の日本アムウェイ(株)は、同製品を利用したカタログをCD-ROMで配布している」と述べた。

デモンストレーションで示されたカタログの例。すべての製品の一覧から、ズームして閲覧できる
デモンストレーションで示されたカタログの例。すべての製品の一覧から、ズームして閲覧できる

動作環境は以下の通り。OSは、Windows 98/Me/2000/XPに対応する。64MB以上のメモリーと、SVGA(800×600ドット)以上のディスプレー解像度、およびDirectX 5.0以上が必要。なお同製品はJava上でも動作し、Pocket PCなどのPDAでも利用できる。PDAでは画像の閲覧のみ行なえる。また、同製品をウェブブラウザー上で動作させるためのプラグインソフトを、夏ごろにリリースする予定という。

IPQファイルのオーサリングツール、iAutherの動作環境は、CPUがPentium III-500MHz以上、メモリーが128MB以上、ディスプレー解像度はSVGA(800×600ドット)以上必要。このほか、DirectX 5.0以上が必要。入力できる画像形式はBMP/GIF/JPEG/TGA/TIFF/PSD、ムービー/オーディオ形式は、Windows Media Playerに対応する形式となる。

販売は、同社の直接販売、もしくは代理店経由で行なう。また、アプリケーションのエンジンとして同製品を組み込むなど、OEMとしての販売も行なうとしている。価格は、1サーバーを1ライセンスとして、1ライセンス140万円。2ライセンス以降は1ライセンス10万円で購入できる。iAuther、iMapEditと同時に購入する場合は、1ライセンス280万円となる。

太田氏は、同製品の展開として「次期バージョンでは、ペイント機能を搭載し、画像上に線などが引けるようになる。これとタッチパネルディスプレーを利用すれば、プレゼンテーションツールとして利用することができる」と述べた。販売目標としては「初年度30ライセンスの販売を目指す」としている。

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